バイオ株講座

【バイオ株講座】新薬ひとつあたりの成功確率は

こんにちは。shiroshiroです。

昨日お話ししました日本製薬工業協会の件、今回はそれの続きです。
(昨日の記事はこちらから。)

新薬ひとつを作るのに、その成功確率はいくつかという話は何かしらで見たことがあると思います。

「創薬成功確率2万~3万分の1!」などといったお話ですね。今回はそのソースに迫ります。

日本製薬工業協会 DATABOOK2019
http://www.jpma.or.jp/about/issue/gratis/databook/2019/index.html (4.3MB)

見出し
・過去より悪くなる成功確率
・前臨床からだと6分の1
・日本企業、縮小気味?

過去より悪くなる成功確率

創薬の成功確率は、直近のデータをもとにすると1/26,020。ずばり0.0038%です。

この確率は合成化合物という、いわゆるDiscovery(探索)の段階で多量に見出される候補の中からですので、無数の砂粒からダイヤを見つけるがごとく低い確率です。


出所:厚生労働省「薬事工業生産動態統計年報」
出典:日本製薬工業協会 DATABOOK2019

そして、この確率が昔からそうだったのかと聞かれると、そうではありません。

図からわかるように、2000~2004の5か年累計で1/12,888と、過去のほうが数字が良かったのです。これも新薬づくりのむずかしさを語っているのかもしれません。

そもそも合成化合物の数自体も2008~2012の742,465をピークにそこから下がりだしています。

低分子からバイオ医薬品(抗体医薬、ペプチド医薬)にシフトし始めているからなのか、日本企業の体力がじわじわ削られているのか、真実は分かりませんが、そのような現象が起こっています。

よく経営者のインタビュー記事で「3万分の1からいかに確率を高めるか」とよく言われますが、結局下がっています。厳しい現実です。

 

前臨床からだと6分の1

成功確率を出すために、承認数をそれぞれ化合物、前臨床、臨床で割ってみました。その結果がこちらです。

年度 化合物 前臨床 臨床 承認 化合物 前臨床 臨床
2000~2004 463,961 215 127 36 0.0078% 16.7% 28.3%
2001~2005 499,915 197 97 32 0.0064% 16.2% 33.0%
2002~2006 535,049 203 73 27 0.0050% 13.3% 37.0%
2003~2007 563,589 202 83 26 0.0046% 12.9% 31.3%
2004~2008 611,576 199 81 24 0.0039% 12.1% 29.6%
2005~2009 652,336 203 75 21 0.0032% 10.3% 28.0%
2006~2010 673,002 216 83 22 0.0033% 10.2% 26.5%
2007~2011 704,333 219 85 26 0.0037% 11.9% 30.6%
2008~2012 742,465 198 71 25 0.0034% 12.6% 35.2%
2009~2013 728,512 201 68 25 0.0034% 12.4% 36.8%
2010~2014 712,040 190 74 29 0.0041% 15.3% 39.2%
2011~2015 703,397 165 70 28 0.0040% 17.0% 40.0%
2012~2016 674,850 151 62 26 0.0039% 17.2% 41.9%
2013~2017 624,482 146 65 24 0.0038% 16.4% 36.9%

先ほど書きました合成化合物→承認取得までの確率は0.0038%でした。

では残りの確率はと言いますと、前臨床→承認取得:16.4%、臨床→承認取得:36.9%となりました。言い方を変えれば、6分の13分の1ですね。

単純な確率論で言えば、昨日の記事の通り、そーせいは2年に1つの新規医薬品を作れることになります。それ以下の本数のバイオは上市ゼロになる可能性もあります。(低分子の場合。抗体・ペプチドはデータが無いため不明)

現在そーせいは前臨床で6本、第Ⅰ~Ⅲ相で8本ありますが…はたしてどうなるか。

 

残念なことは、これが国内の数字なので、海外の数字を探さないといけません。が、資料がそう簡単には見つかりそうにないので、これは宿題として保留です。

 

日本企業、縮小気味?

これまで使われていたデータは5か年累計の数字でしたので、ちゃんと年度別のデータも掲載したいと思います。


出所:厚生労働省「薬事工業生産動態統計年報」
出典:日本製薬工業協会 DATABOOK2019

やはり合成化合物数は2012年をピークに下がっていますね。臨床試験数も下がっています。特に治験数については激減をしているのですが、このあたりの背景に新GCP(Good Clinical Practice)の存在があるようです。

ただし、ここに触れるときりがありません。今回は流します。気になる方は調べてみてください。

 

なお、集計会社数は20社前後ですが、おそらくこの中にバイオベンチャー企業は含まれないでしょう。

日本の製薬企業の20社というと、この資料の中でもいろいろ名が出ていますが、

武田薬品工業、アステラス製薬、大塚ホールディングス、第一三共、エーザイ、田辺三菱製薬、大日本住友製薬、協和発酵キリン、塩野義製薬、大正製薬ホールディングス、小野薬品工業、参天製薬、久光製薬、キョーリン製薬ホールディングス、ツムラ、科研製薬、日本新薬、持田製薬、キッセイ薬品工業、ゼリア新薬工業…

この辺りで20社です。この中で研究開発費が一番低い会社は、ツムラの60.4億円(2017年度)になるのですが、そーせいはこの額に届きません(53.8億円:2018年12月期)

 

ここに名を連ねてこれるようだったら、株価は今と比較にならないほどになっているとは思いますが…

6分の1と3分の1を当てるぐらいでしょうか?

それより先に研究開発費 年100億円の未来のほうが早そう(苦笑)

 

おわり

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