アストラゼネカ そーせいグループ

そーせいとアストラゼネカとA2Aと最新研究

こんにちは。shiroshiroです。

軽い気持ちでアブストを読もうとしていたのですが、なかなか厳しい内容でした。

ブログの中で補足記事を書こうと思います。

The landscape of adenosine signaling in cancer
癌におけるアデノシンシグナル伝達の展望

http://cancerres.aacrjournals.org/content/79/13_Supplement/493.short

見出し
・背景について
・シグネチャ?
・がん細胞の無限増殖に影響?

背景について

論文にしても、ポスターにしても、最初の文章は背景のことについて書きます。ここではアデノシンについてです。

以前、カルナバイオサイエンスの記事で、アデノシンの話をしたのを覚えてますでしょうか?

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ポイントは下図なのですが、アデノシンというのはアデノシン三リン酸 → 二リン酸 → 一リン酸と分解されて、最後にできるのがアデノシンです。

A2AR(アデノシン2A受容体)は、このアデノシンと結合して、免疫抑制作用につながっていくと知られています。

ですので、Adenosine Pathway(アデノシン伝達経路)ががんにおいて重要というのはそーせいホルダーにとって必修科目です。

しかしながら、腫瘍のアデノシンレベル(反応度合)を調べようといっても、研究レベルではともかく、一般的な検査では無理ということで、「汎がん(Pan-cancer:ありとあらゆる癌種を指した総称)レベルで調べようというのは大変困難。」ということを背景で語っています。

シグネチャ?

そこで、用いようとするのが「遺伝子発現シグネチャ(gene expression signature)」です。

いきなり、わけのわからない単語が飛び出ましたので、私もこの単語を調べました。

遺伝子発現シグネチャ…細胞の変化を一意に決める特徴的なパターンの遺伝子を集めた組み合わせ
※シグネチャ…変動遺伝子群

ということです。もっと噛み砕きましょう。

A2A受容体のスイッチをオンした時に、元気になる遺伝子の集まりというあたりで認識してください。これを導き出して、検証するのが狙いです。

Q:何がいい?

A:アデノシンシグナル伝達をウォッチするのが簡単になる。(と思っている)
AZD4635を投与後の生体反応を確認するために有効でないかと考えます。

 

そしてどうやら、「A2ARとその下流のネットワーク(伝達経路)上で、14個の遺伝子がA2ARによって制御され、腫瘍において強く発現している」ということが分かったとのことです。

がん細胞の無限増殖に影響?

後半のほうでは、「汎癌分析時にシグネチャを適用」と書きました。正確には、「TCGAから得た腫瘍トランスクリプトーム汎癌分析にシグネチャを適用」になります。

また、わからない単語が出てきました。懲りずに一つ一ついきましょう。

TCGA…Cancer Genome Atlas:癌の原因となる遺伝子変異をカタログ化するプロジェクト。
トランスクリプトーム…Transcriptome:細胞中に存在する全てのmRNAの総体を指す呼称。
汎癌分析…Pan-Cancer Analysis:(TCGAのデータに基づいて)ゲノム・細胞の変化の類似点・相違点を調べること。

TCGAでは15のがん種に対して、7000もの検体を対象にゲノム解析を行っているそうです。気が遠くなりますね。結論としては、「ゲノム解析データベースとA2Aシグネチャ間で照合をかけた。」と考えましょう。(雑)

その結果についてですが、むしろこちらの方が分かりやすいですね。

①アデノシンhighの腫瘍において、全生存期間および無憎悪生存期間に優位な負の影響を見出した。
(→アデノシン伝達経路の遺伝子通りだと、生存障害につながる)

②CD8+T細胞浸潤腫瘍でも生存障害がみられた。
(→T細胞が入り込んでいても障害が出る。)

③TGFBR2を含むTGFBスーパーファミリーメンバーとの非常に有意な関連を同定した。
※TGF-β…細胞増殖抑制作用を持つ、サイトカイン(細胞の働きを調節するタンパク質の一種)。がん細胞はこの分子が欠損しており、異常な細胞増殖を重ねる。
(→アデノシン伝達経路ががん細胞の増殖に対して、強い関連性を持っていることが判明。)

という具合です。なかなか面白いですね。

アデノシン伝達経路どおりの遺伝子発現が出ると、データベース的には生存期間は短くなり、細胞増殖に関連有りらしいです。

まとめに入りましょう。今回のポスターの内容は、

①アデノシン伝達経路に反応する遺伝子群14個を見つけた。
②遺伝子群をデータベースと照合して、その特徴を調べた。
③結果、遺伝子群は全生存期間、無憎悪生存期間や細胞増殖にも悪影響を与えているという結果が出た。

ということで、最終ツイートのように、アデノシン伝達経路が重要なメディエーター(仲介者)であることを支持と書かれています。

なので、遺伝子発現サインでもって、患者の予後(例:腫瘍を摘出した後の予後観察)に使える?患者選択のヒントになる?という可能性で最後を結んでいます。

 

適当に済ませようと思っていたら、結構核心を突く内容でした。

アストラゼネカがアデノシン伝達経路に可能性を見出すきっかけになっている研究報告だったかもしれません。照合した結果通りに現実もなるのであれば、やはりAZD4635はがんの核心を突く薬になれるかも知れませんね。

おわり

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