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そーせいQVM149 販売編3~QVM149の売上予想

こんにちは。shiroshiroです。

ラストの販売編3です。このシリーズも長くなってしまいました。
まとめに入りたいと思います。
振り返りは↓から
申請~承認
承認~販売
販売1
販売2

見出し
・本命不在の現在
・3合剤の争い
・不確定要素の多い売上予想

本命不在の現在

まずは全5社の主力商品をすべてまとめてみたいと思います。GSKだけユーロなのでドルに直します。

※単位 百万$ 2013 2014 2015 2016 2017 2018
GSK:Advair 7,005 5,620 4,085 3,857 3,534 2,861
GSK:Flovent 1,057 933 691 705 673 703
GSK:Relvar 89 285 686 1,136 1,287
GSK:Anoro 88 222 386 562
AZ:Symbicort 3,483 3,801 3,394 2,989 2,803 2,561
AZ:Pulmicort 867 946 1,014 1,061 1,176 1,286
Merck:Singulair 1,196 1,092 931 915 732 708
Merck:Dulera 324 460 536 436 287 214
BI:Spiriva 3,552 3,237 3,553 2,995 2,826 2,412
Novartis:Seebri 58 146 150 149 151 148
Novaltis:Ultibro 6 118 260 363 411 454
合計 17,548 16,442 14,987 14,378 14,115 13,196

折れ線グラフに関しては、各主力製品1000百万ドル以下で分けました。

まず、合計ですと年々下がり続けています。後発品や、モノクローナル抗体が登場し始めているなど、表に出ている薬剤では売り上げを支え切れていません。

では、1000百万ドル以下の折れ線グラフから次の候補が出そうかというと、あってレルベアぐらいかもしれませんが、やや力不足な印象です。

今後の呼吸器疾患市場は、次世代薬同士の戦いになると考えます。

3合剤の戦い

その次世代の競争ということになると、

・テリルジー エリプタ(GSK)…ICS/LAMA/LABA 3合剤 1日1回
・ビレーズトリ エアロスフィア(AZ)…ICS/LAMA/LABA3合剤 1日2吸入を2回
・QVM149(Novartis)…ICS/LAMA/LABA 3合剤 1日1回

というICS/LAMA/LABAの3合剤による戦いになります。
それぞれの現状を整理しましょう。

リルー エリプタ(GSK)

適応:COPD
日本 :2019年5月22日販売開始
欧州 :2017年末販売開始
米国 :2017年末販売開始

適応:喘息
2019年5月2日第Ⅲ相CAPTAIN試験完了※


※主要評価項目である"呼吸機能"は改善。主要な副次評価項目である"中等度/重度の年間増悪頻度"では改善するも、有意差なし
完全なデータセットが入手可能になったのち、規制当局に申請予定(参照記事)

ビレーズトリ エアロスフィア(AZ)

適応:COPD
日本 :2019年6月19日承認取得
欧州 :2020年承認見込み
米国 :2020年承認見込み
中国 :2019年内、申請結果発表

適応:喘息
2018年アニュアルレポート内、現在第Ⅱ相


※ビレーズトリ含めアストラゼネカの薬は1日2吸入を2回する必要あり。

QVM149(Novartis)

欧州 :2019年5月申請済み
第3/3b相 IRIDIUM1およびARGON2試験実施中。2019年Q3完了予定

皆様はこの状況を見てどのように感じられるかは不明ですが、

まずは第1ラウンド:テリルジーVSビレーズトリの戦い(COPD@日本)が始まります。

次に、第2ラウンド:テリルジ―VSビレーズトリの再戦(COPD@欧州・米国)です。

そして第3ラウンド:QVM149VSテリルジ―(喘息@欧州)が始まりますが、そーせいにとってはここが最重要ポイントです。

 

おそらくQVM149の欧州承認取得のほうが数か月か早いと思われます。ノバルティスとしてはここを活かしたいです。

吸入器で考えたとき、欧州ブリーズヘラー連合(オンブレス&シーブリ&ウルティブロ)VS欧州エリプタ連合(レルベア&アノーロ)ですと、規模はほぼ互角です。

そこで、先行している時間を利用して、ディスカス勢(アドエア)700億円をブリーズヘラー勢 (QVM149)にできるだけ塗り替えられると理想的です。加えて言うと、欧州のシムビコート・パルミコートが二つで850億円ほどなのですが、ここにも食い込めるとなお好ましいです。

不確定要素の多い売上予想

さて、これまでお話しした内容を踏まえて売上予想を立てないといけませんが、不確定要素が多すぎてまず当たらないでしょう。少し列挙してみます。

①欧州申請が無事承認されるか。
②第3ラウンドまでにQVM149がどこまで先行できるのか。
③テリルジー・ビレーズトリ・QVM149の間の性能差があるのか。
④欧州市場でQVM149が第1選択薬の称号を獲得できるか。
⑤AZが欧州で遅れる間に、その分のシェアを取れるか。
⑥QVM149の日・米・中の販売がいつになるのか。
⑦後発薬&モノクローナル抗体薬がどれだけシェアを伸ばすか。

どれも数字を大きく左右しそうです。理想的に行くのであれば、2000億円を目指して、ロイヤリティ2.5%なら年間50億円の利益増になりますが、そう上手くはいかないでしょう。

筆者の願望ですと販売後4,5年で1000億円行かないかな…と思うのですが、甘いですかね。どうなるでしょうね。

 

そーせいホルダーなら、結論の出ない想像を楽しみながら待ちましょう。

他人任せの予想はだめですよ。材料はご紹介しましたので、自分なりに予想してください。

 

ということで、以上で終わりにしたいと思います。

5本の記事からなる大長編となってしまいましたが、最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。

おわり

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