こんにちは。shiroshiroです。
本日、事前に3件のトピックについてツイートさせていただきました。
これをベースにそーせいHeptaresの最近の傾向についてざっくりと考えようと思います。
見出し
・①ヒスタミンH1、表には出ない研究
・②ターゲットに対する手法が確立された?
・③AZD4635がもたらすアストラゼネカへの影響
ヒスタミンH1、表には出ない研究
最初にツイートしたのは、ヒスタミンH1受容体に関する論文です。
そーせい 論文 / H1
The route to prolonged residence time at the histamine H1 receptor: growing from desloratadine to rupatadine
ヒスタミンH1受容体における長期滞留時間への道
1stはAmsterdam大Reggie Bosma氏。HepはChris de Graaf氏。2016年に構造解析した論文有https://t.co/Tfa6zUjW6j— Shiroshiro(休職中) (@Shiroshiro4565) June 27, 2019
H1受容体は現在のパイプラインにありません。あってもアトピー性皮膚炎を狙ったH4です。
同時に、アムステルダム大はORBITプログラムには乗っていません。しかしながらアムステルダム大はこの件以外にもHeptaresと絡んでいますし、他の数多くの大学がORBITに関わらずHeptaresと何らかの共同研究を行っています。
最近260以上の構造を保有と発表されましたが、おそらくアカデミアとの共同研究も相当に存在するのではないでしょうか。Heptaresが論文の1st author(筆頭著者)にならない、つまりアカデミア側で研究を担ってもらう形式の、あまり表に出ない研究は多そうに感じました。
H1も最終的には創薬を狙うのでしょうか?
ターゲットに対する手法が確立された?
次にツイートしたのは学会発表の内容です。
そーせい 学会
Exploring Receptor-Ligand Binding Kinetics and Free Energy Landscapes for GPCR Structure-Based Drug Design
GPCR構造に基づくドラッグデザインのための受容体-リガンド結合速度論と自由エネルギーの展望発表者はHepのFrancesca Deflorian氏。Chris de Graaf師匠がフォロー。 https://t.co/YnviENPId0
— Shiroshiro(休職中) (@Shiroshiro4565) June 27, 2019
ここでは、クラスAまたはクラスBのGPCRで、多様なリガンド結合部位を明らかにし続けているとあります。
以前にもツイートしましたが、StaR®テクノロジーでたった一つの結晶構造を抽出しても、それで完了とはなりません。
受容体とリガンドの間には様々な結合様式があるので、できる限り多くの結合部位を明らかにする必要があります。(そういう意味でStaR®は非常に相性がいい)
そしてアブストラクトでは、たくさん作った結果、事前に予測するモデルができたと言っています。
要は実績をもとにそれを織り込んでシミュレーションをできるようになったわけですね。ツイート内のアプローチ各種はそのためのものです。
”以前にもあったもの”、"最近のもの"、"急速に進化しているもの"など様々ですが、最近はどうやら体系的メソッドのようなものも編み出してきているようで…
Sosei Heptares official blogが更新されているけどこれか。
タイトルは、
Systematic ways of targeting difficult drug target.
難しい創薬ターゲットに対する体系的アプローチ https://t.co/vrN5X3pRBV— Shiroshiro(休職中) (@Shiroshiro4565) June 27, 2019
↑のような発表も行われています。残念ながら資料は現在ありません。
また個人的には、最近タイトルの傾向が変わってきているような気がします。
田村CEOが「240個以上のパイプライン」と話した仙台説明会の近辺で、タイトルが"効率的SBDD手法"、”構造的アプローチができるフレームワーク”、"ドラッグデザインのための体系的アプローチ"など、1個のモノを指さず、どんどんモノを生み出すための手段を話す機会が多くなっているのかなと…
よくわかりませんが何かが量産体制に入った?(手法?、化合物?、パイプライン?)みたいな雰囲気を感じます。(ただの推測ですが)
AZD4635がもたらすアストラゼネカへの影響
最後はアストラゼネカの論文です。
そーせい 論文 / A2A
Synthetic Route Design of AZD4635, an A2AR Antagonist
A2AR拮抗薬AZD4635の合成経路設計1stはAstrazenecaのMairi McCormick Littleson氏。Heptaresはおそらくいない。 https://t.co/sN0uBGh8LS
— Shiroshiro(休職中) (@Shiroshiro4565) June 27, 2019
正直、本文が読めませんので、これだけでは何をしようとしているのかよくわかりません。
AZD4635がアストラゼネカにどんな影響を与えたのでしょうか。
AZD4635は、既存の化合物から、StaR®テクノロジーを用いつつ、化合物をいじって、物性を改善していったものと思っています。
アストラゼネカもそのようなアプローチをやろうとしている?それとも全く別のテーマかもしれません。謎が多いです。
ということで、今日の題材から今思っていることをつづってみました。
外していて当然かもしれませんが、これからも予想をしながら眺めていきたいと思います。
おわり