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ノバルティス、ERS2019そーせいQVM149で怒涛の学会発表

こんにちは。shiroshiroです。

本日twitter上で、QVM149の学会発表を猛烈な量ツイートしました。その内容をブログ上でも管理しておきたいと思います。

9/28-10/2の期間中、ERS2019という学会が行われており、ノバルティスがQVM149関連で多くの学会発表をしたことによります。

その件数は、なんと9件。

見るのも大変かもしれませんが、ゆっくり読んで頂ければと思います。

 

COPD(ウルティブロ)関連

ERS2019では、QVM149とともにウルティブロ関連ともいえる研究もいくつか発表されていました。

【1】

邦題は、"慢性閉塞性肺疾患におけるインダカテロール/グリコピロニウムとサルメテロール/フルチカゾン:増悪のリスクに対する保護に関するメタ分析"

ウルティブロとアドエアでの急性COPD憎悪の比較。アドエアを1としたとき、ウルティブロでは0.84と有意に効果的だった。

 

【2】

邦題は、"インダカテロール/グリコピロニウムが、過膨張したCOPD患者の換気/灌流の一致と換気の動態に及ぼす影響"

方向性が違うので重視する必要はないかも。

COPDでは吸った空気が吐き出せず、過膨張になることで息切れ、呼吸困難が生じる。それをウルティブロによって肺換気が出来ているかを検証。

プラセボと比較して、ウルティブロは、過膨張したCOPD患者のVQMおよび局所換気動態の改善につながる。これにより、酸素化が改善され、微小血管機能が改善され、心室充満が改善される可能性がある。

 

QVM149関係の補助試験

QVM149に関連して、いくつかの補助的な試験についても発表がされました。

【3】

邦題は、"日本人および白人の健康な被験者における固定用量の組み合わせとしてのインダカテロール、グリコピロニウムおよびモメタゾンフロエートの薬物動態"

話しとしては非常にシンプル。

QVM149を健康な日本人に投与した場合の安全性の検証。白人と比較しても同等であり問題点無し。よかった。

 

【4】

邦題は、"喘息患者におけるインダカテロールマレイン酸塩および酢酸塩の肺機能、薬物動態、および忍容性"

これまでとは少し違い、変化球のような案件。

LABA薬のインダカテロール(IND)だが、マレイン酸塩から酢酸塩への変更が行われた。目的は、マレイン酸塩で発生していた吸入後の咳を抑えるため。

マレイン酸塩(maleate)と酢酸塩(acetate)において、有効性における差異は無し。有害事象においては、マレイン酸塩にて51名中12名(23.5%)が咳の有害事象が発生したが、酢酸塩では52人中0名であり、酢酸塩の有効性が確認された。(4枚目の赤枠)

【5】

邦題は、喘息が適切に管理されていない症候性の成人および青年患者における1日1回低用量インダカテロール/モメタゾンのBreezhalerの有効性と安全性:フェーズIII ランダム化されたQUARTZ研究

ICSとLABAの合剤QVF149の為、正確にはQVM149とは無関係。モメタゾンに対し、喘息で大幅な改善が見られた。

 

【6】

ICS用のモメタゾンフロエートは、吸引器がTwisthalerの為QVM149に合わせてBreezhalerで問題ないか検証。

Breeahalerが、Twisthalerに対して非劣性であり、有害事象等のパターンはすべて治療グループ間で同等だった。

 

QVM149関連

ということで、ここからがQVM149に関わる大事な発表です。

【7】

邦題は、"健康な被験者における固定用量の組み合わせとしての1日1回吸入後のインダカテロール、グリコピロニウムおよびモメタゾンフロエートの薬物動態"

3剤併用で体に悪影響があるかという試験。併用による相互作用、新たな安全上のシグナルは無く、問題無し。1名腎臓結石で中止も試験との関連性なし

 

【8】

試験はB2208(NCT03063086)とB2209(NCT03108027)の二つによって行われている。

B2208では、中等度から重度の喘息患者に対し、IND/GLY/MF:150/50/160μg(高用量ICS)および150/50/80μg(中用量ICS)と、高容量アドエアで21日間での比較を実施。

結果、肺機能の正常化では、高用量ICSがアドエアの2.9倍、中用量ICSがアドエアの3.9倍となり、45%の患者の肺機能が正常化(図1)

同時にレスキュー薬を必要としなかった患者は、高用量で58%、中用量で52%、アドエアで45%となり、高用量がアドエアの2.4倍、中用量がアドエアの1.7倍のスコアを記録。(図2)

B2209では、軽度から中等度の喘息患者に対し、レスキュー薬を必要としない割合を試験した。プラセボで29%に対して、中等度ICS(朝)で71%、中等度ICS(夜)71%を記録。オッズはプラセボに対し11.5倍を記録した。(図3)

その間の副作用を図4、図5に示すが、明確な違い、深刻な有害事象は無かった。これらの結果が、IND/GLY/MFが患者の肺機能を標準治療と比較して、より良い利益をもたらす証拠を提供している。

 

【9】

邦題は、"インダカテロール/グリコピロニウム/モメタゾンフロエートの組み合わせは、喘息患者において一貫して肺機能回復の恩恵を示す"

今回の本命、先のツイートで肺機能の正常化の発表がされたが、同じB2208(NCT03063086)、B2209(NCT03108027)による試験が行われた。

 

B2208試験にて、FEV1(呼吸機能検査:最初の1秒間に吐き出す呼吸量)を測定。QVM149は高用量ICS(104名)で0.123L、中用量(99名)で0.105L分、アドエア(99名)に対して上回った(p<0.0001)。(図1)

B2209試験にて、FEV1の値は、中等度の喘息患者向けにプラセボ群(30名)に対して0.544L改善。(図2)

図3では、B2208試験にて、FVC(努力性肺活量:一番吸い込んで、一番吐き出した時の量)を計測。アドエアに対して、高用量ICSで104ml(95%CI)、中用量ICSで86ml(95%CI)と上回った(p<0.0001)。

図4では、B2209試験にて、FVCの値は中等度の喘息患者向けに、プラセボ群に対して304ml(95%CI)改善(p<0.0001)。

また、上記は朝夕に関係なく有意な改善を示した。

以上から、QVM149の1日1回投与は、2つの別々の第Ⅱ相治験において、喘息患者の1日2回アドエア投与orプラセボと比較して、肺機能に一貫して臨床的に重要で統計的に有意な改善を示した。

 

まとめ

最後まで読み進めて頂いた方、お疲れ様でした。

件数が多いので、簡単にまとめていきたいと思います。

 

まとめ

「COPD関連」
【1】ウルティブロ、アドエアより急性憎悪率:低
【2】ウルティブロによる肺換気効果の改善を確認
「QVM149関係の補助試験」
【3】QVM149、日本人においても白人同等の効果を確認
【4】インダカテロール(LABA)、マレイン酸から酢酸塩へ変更。咳低減。
【5】QVF149関係、モメタゾンに対して大幅改善
【6】モメタゾンフロエート、呼吸器をTwisthalerからBreezhalerに変更。問題無し。
「QVM149関連」
【7】QVM149、薬物動態検証。問題無し。
【8】QVM149、肺機能正常化検証。アドエア、プラセボ群に対して優位に改善。
【9】QVM149、アドエア、プラセボ群に対して、呼吸機能の一貫した改善を確認。

以上になります。

QVM149の有効性が、かなりの部分明らかになってきました。アドエアに対して、相当の優位性を持っていると思いますので、残り第3相の1000人規模の治験の発表が待っていますが、心して待ちたいと思います。

ありがとうございました。

 

おわり

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