こんにちは。shiroshiroです。
ここ最近は、そーせいも目立ったリリースがあるわけでもなく、久々の記事更新となりました。
何をしていたかと言えば、3連休を利用して、「バイオベンチャー株の空売り状況をすべて集計していた。」ということで、
「せっかくの3連休に何してんの?」と言われてしまいそうです。
まとめるのが大変だったのですが、ここでその成果をお披露目したいと思います。
トヨタや、ファーストリテイリング(ユニクロ)などの大企業では、その規模の大きさからか顔を出してこない空売り機関。
しかしバイオベンチャー系においては、頻繁に顔を出してきます。
この企画はシリーズもので出す予定ですので、(にっくき?)空売り機関の生態を確認してみましょう。
注意~企業選定について
本編に入る前に、企業の選定についてお話しさせてください。
選定すると言いましても、そもそも何を持ってバイオ”ベンチャー”なのかあいまいです。
ひとまず今回は、「バイオベンチャー企業 空売り&株価の部屋」にある36銘柄を対象にしました。
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バイオベンチャー企業 空売り&株価の部屋
バイオベンチャー企業の空売り動向を確認するページです。 空売り関係情報と、日頃の値動き情報をリンクさせて、空売りと株価の動向イメージを作ります。 ・短期分:70稼働日(3か月程度)のデータ ・長期分: ...
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基本的なルールとしては、「パイプライン表が掲載されている企業」を対象としています。
また大企業(武田薬品など)や、IPO企業(ステムリム)は対象外にしています。
結果、各企業のカテゴリーは、
東証一部:4企業(ペプチドリーム、新日本科学、タカラバイオ、JCRファーマ)
東証二部:1企業(ファーマフーズ)
ジャスダック:12企業
東証マザーズ:19企業
となりました。
バイオ株をいちばん空売りしている所はどこ?
本日初回のテーマはズバリ、
「バイオベンチャーをいちばん空売りしている機関投資家はどこか?」
です。
機関投資家と言っても、ヘッジファンドが委託する形で空売りしているパターンもあるので、一概にその機関が直接売っているとは言えません。
ただ、委託手数料を取っていることも考えられますので、ひとまずこの形式リストアップします。
集計ルールですが、これまでの手法を基本引っ張っています。
・集計基準日:2019年10月11日(金)時点
・株価:同日終値を使用
・空売り比率0.5%を切ったら最後の数字のまま継続(※)
・建玉(=空売り残高×終値)の一番多い機関が勝ち
※注意点として、0.5%未満は報告対象外となるため、残骸として残るパターンがあります。
それにより数字が実際よりも多くなる傾向にあるので、その点はご留意ください。
なお、36銘柄を集計する中で、登場してきた機関は32機関いらっしゃいました。
ゴールドマンサックス、シティグループ、JPモルガン、モルガン・スタンレー、クレディ・スイス……
並み居る企業を押さえ、栄えあるバイオ空売りNo.1機関に輝いたのは!?
1位:モルガン・スタンレーMUFG 131億603万円
見事1位に輝いたのは、モルガンスタンレーMUFG証券でした!(おめでたくない)
空売りTOP5銘柄ですが、圧倒的にペプチドリームです。
4587 ペプチドリーム 62.1憶円
4565 そーせいグループ 12.7億円
4974 タカラバイオ 12.6億円
4592 サンバイオ 9.2億円
4588 オンコリスバイオファーマ 6.9億円
ペプチドリームを売っている企業は、他にもあるのですが、そーせい、タカラバイオに始まり、アンジェス、ラクオリアと手広く喧嘩を売っております。
大企業にも、小型企業にも幅広く噛みつく狂犬っぷりを見せつけての圧勝でした。
ちなみに、「三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社」と「モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社」は別々の会社になっていますので、混同しないように気を付けましょう。
2位・3位、そして空売り総額は!?
続いて、2位・3位も発表していきますが……
2位:JPモルガン証券 115億8030万円
2位はJPモルガン証券で、Morganによるワンツーフィニッシュとなりました。(グループ的には別ですが)
こちらのTOP5ですが、
2160 ジーエヌアイグループ 34.6億円
4592 サンバイオ 21.2億円
4565 そーせいグループ 13.5億円
4563 アンジェス 12.8億円
4579 ラクオリア創薬 9.1億円
意外や意外、ペプチドリーム無しでこの数字です。そしてトップのジーエヌアイについては、無茶苦茶かつがれてます。
このまま元気に踏みあげ続けられて欲しいです。
3位:Citigroup Global Markets ltd 89億6279万円
激戦の3位争いに食い込んだのは、シティグループでした。
この80億円台には、ゴールドマンサックスやNomura Internationalもいたのですが、競り勝ったのはシティです。
TOP5は、
4587 ペプチドリーム 63.0億円
4563 アンジェス 11.0億円
4588 オンコリスバイオファーマ 5.3億円
4579 ラクオリア創薬 3.7億円
4582 シンバイオ製薬 2.2億円
そーせいグループには関与していないので、上位に入っているイメージは無かったのですが、やはりここでもペプチドリーム分が大きかったです。
なお4位、5位ですが、
4位 GOLDMAN SACHS 87億5222万円
ペプチドリーム 36.7憶円
アンジェス 13.4億円
サンバイオ 8.0億円
そーせいグループ 7.1億円
ヘリオス 5.1億円
5位 Nomura International 85億1110万円
ペプチドリーム 49.8億円
サンバイオ 9.7億円
アンジェス 8.0億円
そーせいグループ 7.0億円
ジーエヌアイグループ 3.1億円
という具合になりました。ペプチドリームによって勝負が決まると思わないわけでもない。
以下は
6位 | Integrated Core Strategies | 50億7377万円 |
7位 | AQR Capital Management | 46億7755万円 |
8位 | Credit Suisse Securities | 39億6266万円 |
9位 | UBS AG | 32億2611万円 |
10位 | Deutsche Bank London | 17億5602万円 |
11位 | Credit Suisse (Japan) | 17億2457万円 |
12位 | Barclays Capital Securities | 14億7248万円 |
13位 | Merrill Lynch international | 9億6179万円 |
14位 | 三菱UFJモルガンスタンレー | 9億2660万円 |
15位 | JANE STREET GLOBAL | 6億2519万円 |
16位 | PDT Partners | 5億3969万円 |
17位 | OXAM | 2億7615万円 |
18位 | Bogle(Offshore II) | 1億9743万円 |
19位 | Arrowstreet EAFE Fund I | 1億6600万円 |
20位 | 野村證券 | 1億5123万円 |
21位 | 三井住友ロングショートV | 9546万円 |
22位 | 三井住友アセットマネジメント | 7484万円 |
23位 | Jin Investment | 6219万円 |
24位 | SPARX Medium L&S | 6177万円 |
25位 | E4-B Investments | 1444万円 |
26位 | 個人 | 1395万円 |
27位 | Societe Generale | 1358万円 |
28位 | Compass HTV(Alithion) | 1190万円 |
29位 | Barclays Securities Japan | 722万円 |
30位 | Numeric Investors(Alt Beta) | 0万円 |
31位 | SMBC日興証券 | 0万円 |
32位 | みずほ証券 | 0万円 |
(26位にいる個人の方は、テラを売っている方です。30~32位は最終的に全処分していた為、0円となりました。)
ということで、以上が、全32機関によるランキングとなりました。
そしてもう一つ注目の「バイオベンチャー株空売り総額」ですが…
770億509万円
という結果となりました。
全36企業の時価総額合計が2兆667億円ですので、全体における空売り額の割合は3.7%に相当します。
思ったよりも低いのかもしれません。
この数字がどのようにできているのか、そして、結局儲かっているのか。
その辺りはまた次回以降、解説していこうと思います。
また次回をお楽しみに。ありがとうございました。
おわり
(※ 本記事内で使われている終値、空売り残高は公式数値となりますが、0.5%以下の報告不要分が含まれており、本記事で最終的に出た数値は計算上出来上がった参考数値であることをご了承ください。)
※10/17追記 集計からリプロセルが抜けていた為、金額を修正しました。幸い微小な額の為、順位の変動はありません。