こんにちは。shiroshiroです。
空売り特集③です。
そーせいMiNAの記事や、エーザイの件を書こうかとも思ったのですが、ひとまず後回しにします。
アルツハイマー薬申請により、2連続ストップ高で時価総額は6000億円UP。
あちらはなかなかすごいですね。
今回のテーマは、前の記事でお話しした通り、
「どの企業を使って空売りで儲けているのか」
です。
前回の記事では時価総額が小さかろうが、大きかろうが、お構いなしに売っている印象がありました。
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空売り特集②~信用売買まみれのバイオとそうでないバイオ
こんにちは。shiroshiroです。 空売り特集の続きです。前回の記事では、最も空売りしている機関を並べていましたが、今回のテーマは、 「バイオ株の中で信用取引の多い企業、少ない企業はどこか」 を横 ...
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一日で完結してしまうデイトレードならともかく、公表されている日々の数字からはどのような結果を生むのでしょうか?
気になるので、少しのぞいてみることにしましょう。
本記事の注意点
今回の記事では、「仮損益」という独自のワードが出てきます。
このページが、当ブログで初めての方もいらっしゃると思いますので、あらかじめお話ししておきますと、
値動き、および、その日の時点の空売り残高は公表されていますが、どのタイミングでいくらで買ったかはわかりません。
また、一日の中で売り⇒買い⇒±0、という取引をされると、”売り⇒買い"の損益は不明です。
したがって、本当の意味での損益というのは分かりません。なので"仮"という点に、よくご注意をお願いいたします。
ひとまず、仮損益をもとめる計算方法は、以下の通りにできています。
「(その日の空売り残高 × その日の株価(前日比))で対象期間全部を足し合わせたもの」
こうすると、その日売り増し(or買い増し)た分の株価は、一律で一つの値として扱われてしまう(より正確には前日終値)のですが、致し方なしです。
1年+3か月間での意外な結果
上記の計算で、短期・長期の2種類に分けて、計算を行ってみました。
それぞれの期間は…
短期:70稼働日(2019年7月2日~2019年10月11日)
・長期:303稼働日(2018年7月2日~2019年9月30日)
という具合です。
終わりの日付が合ってないことに、特別何か意図はありません。(空売りページを作った時の仕様です)
そして、300稼働日をメインに整列させた一覧がこちらです。(単位は億円)
銘柄 コード |
銘柄 | 時価総額 | 70稼働日 損益 |
300稼働日 損益 |
4587 | ペプチドリーム | 6,171 | 56.3 | -49.0 |
4565 | そーせいグループ | 1,655 | 13.5 | -41.8 |
4592 | サンバイオ | 2,076 | -9.5 | -15.6 |
4588 | オンコリスバイオファーマ | 277 | 1.9 | -15.0 |
2160 | ジーエヌアイグループ | 757 | -3.2 | -9.6 |
4572 | カルナバイオサイエンス | 207 | 4.2 | -3.6 |
7777 | スリー・ディー・マトリックス | 179 | -1.4 | -2.2 |
2929 | ファーマフーズ | 146 | -0.0 | -0.3 |
4575 | キャンバス | 55 | 0.5 | -0.2 |
6190 | フェニックスバイオ | 28 | 0.0 | 0.0 |
4552 | JCRファーマ | 2,645 | 0.0 | 0.0 |
3386 | コスモバイオ | 64 | 0.0 | 0.0 |
4978 | リプロセル | 154 | 0.1 | 0.1 |
4585 | UMNファーマ | 50 | -0.0 | 0.1 |
7774 | ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング | 339 | 0.2 | 0.2 |
4598 | DeltaFlyPharma | 83 | 0.0 | 0.2 |
4594 | ブライトパスバイオ | 125 | -1.1 | 0.2 |
2370 | メディネット | 73 | 0.0 | 0.4 |
4584 | ジーンテクノサイエンス | 206 | -0.3 | 0.4 |
4875 | メディシノバ | - | 0.7 | 0.4 |
4579 | ラクオリア創薬 | 263 | 8.5 | 0.5 |
2395 | 新日本科学 | 256 | 1.5 | 0.6 |
4576 | デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 83 | 0.5 | 0.7 |
4564 | オンコセラピーサイエンス | 147 | 0.4 | 1.1 |
4583 | カイオム・バイオサイエンス | 63 | 0.4 | 1.2 |
4596 | 窪田製薬ホールディングス | 125 | 0.7 | 1.3 |
4974 | タカラバイオ | 2,585 | -0.3 | 1.7 |
4591 | リボミック | 99 | 1.5 | 2.0 |
7776 | セルシード | 55 | 0.9 | 2.6 |
2191 | テラ | 34 | 0.5 | 3.1 |
4582 | シンバイオ製薬 | 146 | 2.9 | 3.5 |
4586 | メドレックス | 51 | 1.7 | 4.5 |
4593 | ヘリオス | 628 | 6.2 | 4.6 |
4571 | ナノキャリア | 168 | 2.3 | 5.2 |
4563 | アンジェス | 671 | 8.9 | 5.7 |
4597 | ソレイジア・ファーマ | 157 | 1.8 | 8.6 |
総計 | 100.1 | -88.3 |
正直、機関が負けているとは思いませんでした。(計算上は)長期で88億円の負けです。
逆に短期では100億円の勝ちです。
かなり考えさせられる結果となりました。
短期での100億円の勝ちを不意にして、長期で88億円負けるというのは驚きでした。
ペプチドリームとそーせいだけで90億円も損しているので、この2強の値上がりが聞いたのかもしれません。
デイトレードで稼いだ小銭で、黒字の可能性もありますが、機械的に行った結果が↑の通りですので、それなりに考慮する必要がありそうです。
いろいろ確認してみた
ということで、実際いろいろと確認を行ってみました。
損失5強の値動きは?
300稼働日で特に損失の大きかった5強(ペプチ、そーせい、サンバイオ、オンコリス、ジーエヌアイ)の値動きを見てみます。
理由として、単純にこの5強が上がって、300稼働日損益が”たまたま”赤字だったかもしれない可能性を考慮しました。
結果としては以下の通りです。
銘柄 | 70稼働日 損益 |
300稼働日 損益 |
'18 7/2 |
'19 7/2 |
'19 9/30 |
'19 10/11 |
ペプチ | 56.3 | -49.0 | 4,180 | 5,820 | 5,130 | 4,925 |
そーせい | 13.5 | -41.8 | 1,584 | 2,440 | 2,423 | 2,150 |
サンバイオ | -9.5 | -15.6 | 2,780 | 4,565 | 4,490 | 4,010 |
オンコリス | 1.9 | -15.0 | 580 | 2,074 | 2,205 | 1,953 |
GNI | -3.2 | -9.6 | 1,520 | 1,226 | 1,906 | 1,749 |
やはりどの銘柄も1年前は安いですね。
上位に入った理由は、「値上がりしたから」と言ってしまえば単純ですが、どの銘柄でも「結果を出しさえすれば、売り側は損をさせられる」ともいえます。
つまり、抑えきれるものでもないということですね。
株価への支配力という点で言えば、「短期になればなるほど強く、長期になればなるほど弱いのでは?」という仮説を立てています。
要は、「短期投資家ほどバイオではボコボコにされる」可能性を疑っているのですが、そこの点はもっと時間をかけるべきだと思っています。
今後の検証テーマとして、キープをしておきましょう。
70稼働日で一番泣かされている銘柄は?
最後はおまけです。
損失額順に並べれば、時価総額の大きい企業が出てきやすいのは当然なので、「損益/時価総額」で見た時、どの企業が出てくるでしょうか。
肌感覚で理解できるように、70稼働日で並べると、上位・下位は次の通りになりました。
【上位(機関が負けている銘柄)】
・ブライトパスバイオ: -0.86% (-1.0億円/125億円)
・3Dマトリックス : -0.77% (-1.3億円/179億円)
・サンバイオ : -0.46% (-9.4億円/2076億円)
【下位(機関が稼いでいる銘柄】
・メドレックス : 3.26% (+1.6億円/51億円)
・ラクオリア創薬 : 3.24% (+8.5億円/263億円)
・カルナバイオサイエンス: 2.01% (+4.1億円/207億円)
機関が稼いでいるということは、個人投資家が負けているということになりますが、下位3社は悪いニュースもありましたので、勝ち負けという考え方は正しくないかもしれませんね。
今回の記事はこれで終わりにしたいと思います。
このシリーズは次回最終回(予定)です。
「どの機関が買っていて、どの機関が負けているか」を取り上げます。
まずは別記事を書いてからになると思いますので、このシリーズの完結は少々待つことになりますが、楽しみに待っていただけると幸いです。
ありがとうございました。
おわり
(※ 本記事内で使われている終値、空売り残高は公式数値となりますが、0.5%以下の報告不要分が含まれており、本記事で最終的に出た数値は計算上出来上がった参考数値であることをご了承ください。)