そーせいグループ その他

そーせいHeptaresが目指すAI・人工知能の新境地とは

こんにちは。shiroshiroです。

バイオファーマ日記は、なんだかんだ私個人の勉強にもなかなかいい感じです。

そんな中、IR関連とは全く違う、バイオの奥深くに入っていこうと思います。

 

ネタはそーせいからで恐縮ですが、AI・人工知能のお話です。

ERNEST 1st meetingから情報を引っ張ってきた

本日の題材はこちら、

「ERNEST 1st meetingでのそーせいHeptaresの発表の内容は?」

要は学会があったので、その情報を集めてみました。

 

場所は、北アイルランドのベルファストというところで、10/28-30の3日間行っています。

最終日は、日本時間の本日(10/30)未明ということになりますね。

そしてそもそもですが、このERNESTはなんとそーせいHeptaresがスポンサーをしています

上にベーリンガーインゲルハイムとかいるんですがね。

一応そーせいはベンチャーのはずですが、すごい企業ですよ。。。

今回の学会に関して、Twitter上では4件ほど紹介させていただきました。

本来、もう少し取り上げられなくもないもないですが、こちらで省略しています。

(人のつながりは有りますが、ビジネス上はそーせいHeptaresとは無関係)

 

そして、4件を簡単にお話ししてしまうと、

そーせいHeptaresのポスター発表:StaR®技術の向上
②Uppsala(ウプサラ)大のポスター発表1:A2Aに絡んだシミュレーション(FEP)のお話し
③Uppsala大のポスター発表2:1年前Heptares共著の発表をした方。シミュレーション関連。
④そーせいHeptaresのプレゼンテーション:Chris de Graaf氏。人工知能関係

という所になります。

①~③までは大したボリュームではありません。順に触れていきましょう。

④は最先端科学なので、正直重いです。

 

ポスター発表3件の解説

1件目、「①そーせいHeptaresのポスター発表:StaR®技術の向上」です。

Conformational thermostabilisation of GPCRs: Applications for Structural Studies and Drug Design
"GPCRの立体配座熱安定化:構造研究と薬物設計への応用”

[Twitter本文]

意外に珍しいStaR®技術(熱安定化)系統の話

ここでは特に、「熱安定化のため変異の数をいかに最小限に抑え、受容体を固定するか」が話題。

これはペプチド、低分子を含むファミリーA,B,C+リガンドが不明のオーファン受容体に適用可能。

得られた受容体は生物物理学の分析に適したもの。とのこと。

 

アブストラクトだけですと、どういう風に読めばいいか難しいところですが、これはStaR®関連のお話です。

StaR®技術(変異を起こして、熱安定性を高める技術)とは、つまり秘孔のこととつねづねお話をしていますが、秘孔を突く数を少なくするような試みに見えます。

実際に合っているかわかりませんが、StaR®技術そのものも進化している?かもしれません。

 

2件目、「②Uppsala(ウプサラ)大のポスター発表1:A2Aに絡んだシミュレーション(FEP)のお話し」です。

Integrated approaches to model the conformational equilibrium and the ligand optimization on adenosine receptors
"アデノシン受容体の立体配座平衡とリガンド最適化をモデル化する統合アプローチ"

[Twitter本文(抜粋)]

計算シミュレーションの話。メインは、「自由エネルギー摂動(FEP:Free Energy Perturbation)のプロトコル開発」

FEPは「リガンドと受容体の結合エネルギー計算」程度で。1954年に登場したが、近年再注目されるようになった。

ポスターで語る成果は三点

1) 選択性研究の結果、A2Aに対し非リボース型部分作動薬の発見が可能に
2) Sosei-Heptaresによって報告された最近のA2A拮抗薬の結合モードの解明。プロトコルによって、2つのアンタゴニストとA2A受容体との合成、評価が可能に
3) A2A受容体の変異が立体配座平衡に及ぼす影響

 

発表そのものはそこまで真剣に読む必要はないかもしれません。

「A2AについてHeptaresと共同研究をしているUppsala大がそのような研究をしている。」といった程度の理解でよいと思います。

ただし、FEP(Free Energy Perturbation:自由エネルギー摂動)に関して、この先(Heptares的には研究上)重要な言葉になりそうな予感。

とはいえ、あまり私も理解できておりません。

「リガンドと受容体の結合エネルギー計算」と書きましたが、イメージとしてはこんな↓感じ。(10秒の動画です。)

ここでは、"分子が結合の状態から離れる動き"を自由エネルギーの計算によってシミュレートするみたいな…

まだまだ勉強が足りませんね。

 

3件目、「③Uppsala大のポスター発表2:1年前Heptares共著の発表をした方。シミュレーション関連。」

Two sides of the same coin: ligand and sidechain FEP to characterize small molecule modulation of GPCRs
"同じコインの2つの側面
:GPCR
の小分子を特徴付けるリガンドとサイドチェーンFEP"

[Twitter本文]

この方(博士課程)も専門はFEP。Hepの字は無し。

GPCR構造で利用可能な実験情報と、SBDD手法(とくにFEPシミュレーション)を統合するための計算アプローチを開発した。

この手法はPythonで書かれ、特にアデノシン受容体に重点を置いている。

ポスターではこの手法の相乗効果について説明する。(以下略)

 

こちらは、研究そのものの内容はそれほど重要ではありません。

[博士課程の方]が、[FEPシミュレーションのプログラムの改善をしている]と理解してください。

プログラム開発も重要な要素です。博士課程、頑張って頂きたいです。

 

Chris de Graaf師のとても重厚なabst

ラスト、「④そーせいHeptaresのプレゼンテーション:Chris de Graaf氏。人工知能関係」です。

Computational Medicinal Chemistry Approaches for GPCR Structure-Based Drug Discovery
"GPCR構造に基づく創薬のための計算化学アプローチ"

ツイッターで書いた文章でさえ、長い。そして重い!

コメントを挟みながら解説していきます。

[Twitter本文]

【1】

そーせいHeptaresが解明した新しい結晶構造は、「潜在的にリガンド結合部がいかに多様にあるか」を明らかにし続けている。

多数のリガンドが結合した一連のデータは、主要な薬物ターゲットに結合する「たんぱく質構造ベースビュー(見方)」を可能にする。

 

大事なのは、「リガンド結合部が潜在的に大量にある」という点です。

ここが今まで手こずるポイントでした。しかし、その見方が確立されたようです。

 

【2】

発表では、多くのターゲットに転用可能なリガンド設計で、いくつかの重要な影響と成果を説明する。

1) モデリングにファーマコフォアベースの類似性原理を使用する際の注意事項
2) 創薬ドライバーとしての親油性ホットスポットと水ネッ
トワークの重要性
3) GPCRome全体のリガンドの結合モード
の多様性

 

ここはスルーしましょう。オタクには大事かもしれませんが難解すぎます。

 

【3】

続けて、このGPCR構造生物学のブレイクスルーが、より正確な描写と予測の為、計算機および実験研究によっていかに補完されたかを示す。

また、構造、薬理、化学データを組合せ、受容体-リガンド相互作用空間を探索。

スクリーニングと設計をコントロールする統合ケミインフォーマワークフローを説明。

 

正確な描写と予測は何よりも大事です。おそらく、StaR®技術でいかにそれが可能になったかの話ではないでしょうか。

あと、ワークフローという言葉出てきました。少し引っかかります。

パイプラインがどんどん湧き出るというのは、フローの確立が関係をしている?

 

【4】

新しい化学情報学主導の分子設計アプローチとして、レトロシンセティック分析、ライブラリ列挙アプローチ、AIドリブン(駆動)分子生成を説明 蓄積されたデータを使用し、カスタマイズされた仮想スクリーニングと薬物設計アプローチを説明。

同時にクラスAのGPCRに渡る体系的スコアリング手法に触れる。

 

やはり高度すぎます。特にレトロ~の周辺。

体系的スコアリング手法というのは、前にR&D Dayで触れたところかもしれません。

リガンド設計の部分で、点数付けをして、候補物質の優劣を判断していくと思われます。

そーせい、人工知能と機械学習(AI/ML)による創薬の革新

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【5】

親油性Hotspot、水Network、Cryptic(不可解な)結合部位(※図参照)を対象とした物理ベースおよび経験的SBDD手法を提示

物理的…分子動力学、FEP
経験的…GRID、WaterFLAP、BioGPS

 

スルーです。創薬の為のツールの類ですね。GRIDやWaterFLAPはずっと前からあったはず。

 

【6】

また、FEP(自由エネルギー摂動)を説明。結合場所で"深く埋もれた"/"浅く露出した"/"ヘリカル(らせん)外"など様々な結合場所の最適化のガイドが可能になる。

して最後に、これらの困難なシステムでSBDDのFEPを有効にするために、必要なカスタマイズされたソリューションについて説明する。(abst完)

 

FEPについて個別に取り上げています。やはり重要なようです。

また結合場所も、深い、浅い、らせん外で考え方が異なるようです。

 

 

アブストラクトとしては以上になります。

これらを要約すると、

・多数の結晶から結合の見方が確立された。
・正確な描写と予測。そしてその評価方法とフローの体系化ができた。
・そこに行きつくまでの数多くのツール。とくにFEPによる計算の重要性

人工知能と機械学習で、新境地を開き続けているようで、

ひとまずこういったぐらいに把握していけばよいのではないでしょうか。

 

実に難解ですね。ある程度はやむなしです。

ところで、こちらを発表して頂いたChris de Graaf氏(師匠)ですが、またやってくれたようですよ。

 

ハ ー モ ニ カ L I V E を

 

師匠さすがです。しかも歌詞変わってるし。

それでは本日もありがとうございました。

 

(11/1追記:そーせいグループの"知識"ページにて、プレゼン情報がアップロードされました。

正直あまりにも難しすぎるので、スライドの解説は遠慮させてください。)

GPCR構造ベース創薬における計算医薬品化学的アプローチ
https://www.soseiheptares.com/2019/10/Computational-Medicinal-Chemistry-Approaches-for-GPCR-Structure-Based-Drug-Discovery.html?ctry=jp

 

おわり

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