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Shiroshiroの投資ノート

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ペプチドリーム、空売り会社マディ・ウォーターズの売り煽りを浴びる

こんにちは。shiroshiroです。

 

今日は、前場のある時間に出てきたものについて取り上げたいと思います。

それは、「空売り専門調査会社マディ・ウォーターズ・キャピタルによる空売り宣言」です。

株価はこの報道を受けてか、4%弱ほど下落しました。

「どういった理由でこの空売りに至ったのか」

この空売りに勝算はあるのか」

彼らの主張をそれらから読み取っていきましょう。

 

マディ・ウォーターズの主張は

投資を何年も続けていくと、たまにこういった事が発生します。

過去の事例で言うと、米シトロンによるサイバーダイン売りなどがありました。(2016年8月)(関連LINK) 

 

ではこのマディ・ウォーターズはと言いますと、過去に日本電産を空売りしたことで知られています。(2016年12月)(関連LINK)

確かにそんなこともありました。もう三年も前のなのですね。

 

今回のターゲットは、東証一部上場のバイオベンチャー企業、ペプチドリームです。

レポートもさることながら、ご丁寧にも動画まで準備しております。

・動画(3分14秒)

・レポート(31ページ)
https://www.muddywatersresearch.com/ja/research/4587-jp/report/

ひとまずお手軽に見れる、動画からその主張を拾っていきます。

結構いっぱい言っておりますが、まずメインテーマとなる主張は、

「収益力が過大評価されている」

という点です。以降からのコメントはそれを補強するための主張が並びます。

 

①「19社との提携、100以上の開発プログラムのその大半は、休止状態、あるいは消滅したプログラムである。」

②「我々は、ペプチドリームが2027年までに上市できる数は1品と予測する。」

③「多くのアナリストが、8~15品もの上市を予想するが、それは業界平均の6倍以上の成功率であり、不可能。」

④「同社の経営者がペプチドリームの株を310億円以上売却

⑤「ペプチド医薬の創薬プラットフォームは、数多くある創薬技術の一つに過ぎない。」

⑥「自社開発は提携の問題を隠ぺいするためであり、能力を超えたこの取り組みに期待は持てない。」

⑦「13年もの社歴において2相がひとつもない。

⑧「パトリック・リード社長が19億円でハワイに家を購入。

 

若干一部、ただのやっかみに見えなくもないものもありますが、事実に基づいた指摘や、辛辣な意見、仮説を重ねて少し怪しいものなど、多岐にわたります。

 

レポートの中身は

マディ・ウォーターズのレポートは、全31ページからなる力作です。

「ペプチドリーム:車輪の無いスポーツカー」
https://www.muddywatersresearch.com/ja/research/4587-jp/report/


 

(シトロンといい、この手の企業はおもしろイラストを作らないといけないルールでもあるのでしょうか)

 

レポートの冒頭でも、三つの観点から、ペプチドリームは社外の一般株主の期待を大きく裏切っていると話しています。

株主を裏切る三つの観点

・①技術は収益につながるのか?臨床試験はたったの2品。それも、第Ⅰ相どまりのみ。
・②I社とペプチドリームとの提携は実質的に解消されている。しかしそれは公にされていない。
・③経営陣は5年間で314億円分を売却。パトリックリード社長の19億円の豪邸は売却で得た金では?共同創業者も青写真の熱弁をふるいながら、この半年間に同社株式を29億円分売却。

そして、これらの主張に対しての詳細な根拠は、本文のほうで書かれています。

順々に行きましょう。

 

【プログラム関係】

「19社との提携、100以上の開発プログラムのその大半は、休止状態、あるいは消滅したプログラムである。」

⑦「13年もの社歴において2相がひとつもない。

 

まずマディでは、ペプチドリームのIRに問い合わせ、「マイルストーン達成についての発表結果が、緊密性の参考になる」との回答を得ました。

そこで、「進展がみられなければ、共同研究開発は順調ではない」と論を展開して、リリースの状況を整理したのが下表です。

表1 ペプチドリームの提携(締結の時系列順)と各年来の動き

そして、その後マディは調査会社2社に依頼して、提携企業の従業員、証券会社の(セルサイド)アナリスト、ペプチドリームのIRから聞き取りを行ったとのこと。

2社からの結果を受け、

「案件によって相違はあるものの、緊密性の低い提携企業はかなりの比率を占めている。」

と主張。また、調査会社Aからは、以下のような評価判定がなされました。

表2-A ペプチドリームと12社の提携先との共同研究開発における進捗状況(A社の調査による) (※一部筆者で空白を削除済)

(B社でもレポートが付け加えられているので、気になったら確認してみてください。)

A社、B社の調査会社の結果と併せて、「19社との提携、100以上の開発プログラムのその大半は、休止状態、あるいは消滅したプログラムである。」とした模様です。

ただ、この内容については、結局マディ側で決めつけているだけの為、正しいかどうかは不明です。

決して、そうであるとは思いこまないようにお気を付け下さい。

 

また、この流れの中、

「開発初期にあたる化合物探索は増えるのに対し、臨床試験がほとんど増えないこと」

を問題視。

休止または消滅したプログラムに対する最新情報を一切記載しない体制を批判しています。

また同時に、数少ない第1相であったブリストル・マイヤーズ スクイブとの共同開発品についても疑惑の目を向けます。

2016年12月に第Ⅰ相を終了したPD-L1阻害薬「BMS-986189」は、その後第2相に進行したという発表もなく、の後ブリストル・マイヤーズ スクイブからの開発情報から抹消されているそうです。

これについて、あたかも第2相を準備中と記載するペプチドリームに対して、マディ・ウォーターズは厳しく指摘しています。

 

⑥「自社開発は提携の問題を隠ぺいするためであり、能力を超えたこの取り組みに期待は持てない。」

 

続けて、マディ・ウォーターズはペプチドリームの自社開発について言及します。(16ページ付近)

自社開発は提携の問題を隠ぺいするためのモノと断定します。

ただし、ここでの主張は、「ビジネスモデルの衰退に対するペプチドリームの焦りがうかがえる」というもので、根拠に乏しく主張はあいまいです。

 

⑤「ペプチド医薬の創薬プラットフォームは、数多くある創薬技術の一つに過ぎない。」

 

レポートの最後のほうに飛んでしまいますが、マディ・ウォーターズはペプチドリームの独自技術である「ペプチド創薬プラットフォームシステム(PDPS)」に異議をぶつけます。

ペプチド創薬を得意としている会社は、他にもたくさんあり時価総額もはるかに安く、そのうち6社は第2相以上に進んでいると主張しています。

 

ここについては何とも申し上げられません。

同じペプチドと言っても技術水準が違う可能性はあります。と言いつつ、ペプチドリームが割高という可能性もあります。

正しいかどうか判断するには、高度かつ専門的な理解が無ければ不可能でしょう。

 

2027年の上市品目数は?過去の売り煽り結果は?

【上市品目数関係】

②「我々は、ペプチドリームが2027年までに上市できる数は1品と予測する。」

③「多くのアナリストが、8~15品もの上を予想するが、それは業界平均の6倍以上の成功率であり、不可能。」

 

候補物質が様々な試験を経て、薬として上市されていく中でほとんどの候補物質は失敗するというのはよく言われているお話です

マディ・ウォーターズは、「7年後までの上市品は1品のみ。アナリストの8~15品という予測は不可能」と切っています。

筆者はどちらかというと、マディ側の意見に賛成です。

残り8年ですと、前臨床までは間に合いそうだとして、"リード化合物の最適化"あたりは間に合うか怪しいです。(ものによりますが)

するとまずは第1候補は、前臨床5件、第1相2件。

ですが、第1相の苦戦具合と、各ステージでの成功率を考えた時、どちらかと言えば、1件のほうが現実的かと…

 

【経営陣関係】

④「同社の経営者がペプチドリームの株を310億円以上売却

⑧「パトリック・リード社長が19億円でハワイに家を購入。

このあたりをどうこう言うのはやめたいと思います。

本当に売り抜け目的かもしれませんし、普通に違う理由があるかもしれません。

 

【マディの思い通りになるか否か】

さて、ここまで来て、レポートについてはあることについて、一切触れていません。

それは、「現在入ってくる現金。つまりキャッシュフローや業績に対しての評価」です。

少なくとも今言えることとして、ペプチドリームはいま連続で黒字は出しています。

「たかだか数10億円の利益じゃ、PER的には異常な水準になるのでは?」と言われれば確かにその通りです。

 

ペプチドリームの独自技術についての自身の評価は(理解が中途半端なので)申し上げられませんが、

PDPSでキャッシュを出しつつ、有望そうな企業をその巨大な時価総額を使って、買収することだって悪い手ではありません。

いま大赤字を出しているソフトなバンクなり、いきなりリプロセルを当てたそーせいCVCなり、ファンドを立ち上げるのもありです。

1相をお金で買うという考え方です。(できるかどうかは分かりませんが)

 

提携解消が続発しない限りは、この財務基盤は揺るがないわけで、いま、独自技術を指摘して、空売りを仕掛けはじめましたが、

果たしてマディ・ウォーターズの狙いは成功するのか。

 

【過去の売り仕掛け結果は?】

ところで、冒頭のシトロンのサイバーダイン売りと、マディの日本電産売りは今どうなっていると思いますか?

シトロンvsサイバーダイン5年チャート(空売りは'16/8月)

マディvs日本電産5年チャート(空売りは'16/12月)

シトロンはまだよいかもしれませんが、マディの日本電産売りは大失敗に見えますけど…どうなりますでしょうか。

 

筆者はこのようなイベントには飛び乗れない人間なので、ゆっくり眺めていようと思います。

 

おわり

 

※(11/7追記)ペプチドリームより反論IRが出ました。
当社の状況に関するレポート等について(適時開示) (87KB)
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/45870/d13e5ccc/3e3b/453a/b682/192752e683b2/140120191107421737.pdf

(以下抜粋)
当社が公表している101のプログラム数は現在進行しているプログラムのみをカウントしたものであり、これらのプログラムの中に休止状態あるいは消滅したプログラムはございません。
当社におきましては、研究開発及び事業開発の進捗について透明性ある開示を実施してきており、同社の見解は当社の見解とは全く異なるものであり、当社といたしましては、事実に基づかない情報が殊更に発信される行為などが認められる場合、しかるべき行政機関等とも協議しながら適切な対応を取ってまいります。

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