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Shiroshiroのバイオ株ノート

そーせいグループ

そーせいグループ、ニューロクライン社との提携で株価急騰!なぜ?今後の材料は?

こんにちは、Shiroshiroです。

ついにそーせいグループがMシリーズに関して、巨額の一時金を含む提携を発表しました。

2021.11.22 適時開示
ニューロクライン社との統合失調症およびその他の精神神経疾患を対象とした新規ムスカリン受容体作動薬に関するライセンス契約締結のお知らせ
2021.11.22 お知らせ
「ニューロクライン社との統合失調症およびその他の精神神経疾患を対象とした 新規ムスカリン受容体作動薬に関するライセンス契約」についての説明資料と動画をこちらからご覧いただけます
2021.11.22 お知らせ
説明会のご案内 「ニューロクライン社との提携について」

ざっくりお話しすると、「売上90億弱の企業にいきなり114億円の契約金が来た。来年のお金も相当もらえる。」という内容です。

 

翌日の株価はストップ高となりましたが、その理由やそーせいの今後の株価材料について注目していきたいと思います。

なお、この記事を書いている11月28日現在、株価は2,232円です。個人的にこの株価は安いと思います。正直おかしいレベルですので、その理由についても解説していきます。

 

①契約一時金114億。今年の業績は営業利益前年比7倍

ニューロクライン社との提携によって、そーせいグループは114億円の契約一時金を得ることになりました。この額というのは昨年のそーせいグループの売上収益(88億円)を超えてしまう額です

2019年、2020年、2021年の業績が以下のようになっていますが、売上収益は97億円(2019年)→88億円(2020年)→35億円(2021年第3四半期まで)となっています。そして今回この114億円が乗ってくることになりました

・基本業績(四半期ごと)

’21/1~'21/12 Q1 Q2 Q3 Q4 合算 前期末予想
売上 1,207 1,916 467 3,590 予想非開示
営利 -1,238 -611 -2,376 -4,225
税前 -1,054 -339 -2,759 -4,152
純利 -1,153 -1,144 472 -1,825
'20/01~'20/12 Q1 Q2 Q3 Q4 合算 予想
売上 1,162 1,354 1,927 4,399 8,842 予想非開示
営利 -445 -691 -81 2,145 928
税前 -500 -770 -208 3,100 1,622
純利 -746 -1,371 475 3,121 1,479
’19/1~'19/12 Q1 Q2 Q3 Q4 合算 前期末予想
売上 3,136 1,920 2,714 1,956 9,726 予想非開示
営利 1,061 -330 363 -710 384
税前 929 -637 850 -608 534
純利 1,018 -623 1,066 -29 1,432

一瞬、「原価があるから利益は大したことないのでは?」と思うかもしれませんが、バイオの世界は少し異なるのでご注意ください。プロ野球選手の契約金と同じようなイメージになりますので、原価は存在しません。まるまるそのまま利益に変わります。

つまり、2021年第3四半期までの業績+一時金が、いま判明している今年の業績になります。それが↓↓↓のような内容です。

2020年12月期 2021年Q3+契約一時金114億円 前年比
売上高 8,842 14,990 +69.5%
営業利益 928 7,175 +673.6%
税引き前利益 1,622 7,248 +346.8%
純利益 1,479 -623+??? ???

売上150億、営業利益70億。

これがいま判明している時点のそーせいグループの業績であり、営業利益は前年の7倍に跳ね上がります。もちろん企業活動の経費によって、営業利益は目減りするので、もう少し数字は下がってくるでしょう。純利益も法人税がかかるので、正確な数字は分かりません。

ただ、売上1.5倍、営業利益数倍になるという大きな変化に対し、ストップ高1回(その後株価低迷)というのはチャンスに思えます。

南アフリカ新変異型(オミクロン株)が出現して市況全体が下がっているからと言っても、それで納得して株価が固定されるのは奇妙です。

 

②来年の業績はどうなるか。Mシリーズとは何か

それでも人というのはもっともらしい理由を探すものです。「来年の業績が今年と同水準にはならないことを見越しているからなのでは?」という考えがあると思います。もっともな意見です。

 

しかしそれに対しても、今回の提携はそれなりの回答を出しています。それを理解する前に、まず今回の提携の主役、Mシリーズというものを知る必要があります。

Mシリーズとは、そーせいグループが研究開発しているムスカリン受容体に関連した治療薬候補のことを指しています。メインは精神疾患系で、主に3グループに分けられますが、

そーせいMシリーズについて

・①M4作動薬、第1相臨床試験完了。22年第2相入り予定。統合失調症、双極性障害(躁うつ病)、パーキンソン病
・②M1/M4デュアル作動薬、前臨床中。22年or23年の第1相入り。精神、認知関連
・③M1作動薬、前臨床中。23年前半に第1相入り予定。アルツハイマー病
※11/28時点のやり取りに基づく

大体このように分かれています。

③のM1作動薬については、第1相が完了したHTL0018318という治療薬候補があるのですが、継続するのかいまいちわからないため、ここでは外しています。

ここで一番押さえて頂きたいのは、適応する症状についてです。
統合失調症、躁うつ病、パーキンソン、アルツハイマー。
名だたる有名な病気ばかりです。

人体(細胞)にあるムスカリン受容体というのは、この領域に強く関与しており、このエリアでよい治療薬を作れれば、上のような病気の治療をすべて制覇する可能性もありえます。

 

そして、"それなりの回答"というのは①の「22年第2相入り予定」という言葉です。どういう意味かというと、来年第2相臨床試験が開始されると、またお金がもらえるという事です。

開発マイルストンと呼ばれるものですが、今回の提携では15億ドル(約1,715億円)ほどの開発マイルストンが組まれました。感覚が狂ってきますね。

そして来年の売上では、この「第2相臨床試験開始によるマイルストンがどれほどになるか」が一つのポイントとなります。

正直いくらになるかわかりません。ただ個人的な予想としては50億円は超えてくると思います
(最低そのぐらいには設定しないと1,715億円にどうやって到達するのかわからないため)

いちおうM1, M4, M1/M4デュアルと、第1相、第2相、第3相、承認申請、上市という各ゲートが存在し、後半になれば額面は増えるはずですが、それでも50億くらいは...という気持ちです。

 

そーせいは一般的な売り上げで、毎年50億円ほどの収益は出てきていますので、通常収益50億+M4第2相マイル50億 = 100億円。ここまではなんとなく見えてきます。

それにあと50億円を足すことができれば、来年も年間150億円達成です。それが可能なのかというお話ですが、そのあたりを”今後の材料”という点でお話ししたいと思います。

 

③そーせいの今後の材料は?来期売上150億円は達成できるのか

一番大事なところです。
材料の解説なんてどの銘柄でもご丁寧に書いているようなところはないのですが、そーせいグループにとって今が一番重要な時期なので書きたいと思います

ポイント

(1)年内もう一つの新規提携

直近の大本命です。ここについては公式ブログで重要な記載があります。
>>最後に、我々は平均としてではありますが「2~3件の価値の高い提携・共同投資」を現在の年間の目標の一つとしています。これまでの所、2021年は今回のMシリーズの導出の1件に留まっており、残りの期間を考えると必ずとは申し上げられませんが、なるべく早い時期に新たな提携もご報告できるよう気を抜くことなく、事業を前進させていく所存です。
※引用元: Sosei Heptares Official Blog 2021年11月22日月曜日「ムスカリン作動薬シリーズをニューロクライン社に導出しました」より

ですので、今回のニューロクラインほどではないでしょうが、注目の集まるような大きな材料になる期待が高まります。

 

ポイント

(2)新型コロナウィルス治療薬の助成金

こちらも確度の高い話と言えそうです。直近の第3四半期の決算短信P10に重要な記載があります。
>>さらに、SARS-CoV-2 Mpro阻害剤プログラムを推進するための助成金獲得に向けた世界的な慈善団体との協議が進展しており、他の抗ウイルス薬との併用を必要としない単剤での迅速な開発を目指しています。
※引用元: そーせいグループ株式会社 「2021年12月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」より

世界的な慈善団体というのはそれほど数があるようには思えないですが、助成金を獲得できるチャンスがあるようです。↑の項目とダブりはありえますが、それでも期待は大きいです。(掲示板ではゲイツ財団(ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団)が語られていますがはたして)

なにより新型コロナウィルス関連として、日本国内でアン○ェスのように注目が集まれば、また一段違ったフェーズに入ってくれるのではないでしょうか。この辺りは統合失調症なども同じです。

ポイント

(3)第2相開始ラッシュ

来年のパイプラインの進捗予測を立てるとき、そーせいグループにとって来年は当たり年になります。先ほどもお話した通り、提携している治療薬の場合、臨床試験のフェーズ(相)が進むとマイルがもらえる契約になっています。

特に第2相入りするものが多く、それによって発生するマイルはそれ相応の額になるのではないでしょうか。下表にまとめてみました。

2022年の第2相入り候補

・①mGlu5 NAM (提携先:Tempero Bio社)
・②ファイザー第1相案件 1件~最大3件 (提携先:ファイザー社)
・③CGRP受容体拮抗薬 (提携先:Biohaven社)
・※M4作動薬

この辺りはどうなってくるか分からないところが多いですが、おそらくそれなりの確率で出てくるものと思います。ファイザーはGLP-1作動薬、CCR6拮抗薬、MC4拮抗薬の3つがありますが、進捗の早いGLP-1作動薬が本命で、残りの二つは間に合わないかなとも思っています。

それでも3件ほどの2相入りがあれば、売上的にはいい金額になるのではないでしょうか。

もちろんそーせいは毎年2~3件の新規提携を目標に掲げていますので、そういった契約一時金も加味すれば、

通常売上50億円+M4第2相マイル50億円+他第2相マイル30億円?+新規提携20億円? = 150億円?

このくらいで150億円に行ってくれないかと願っています。(ただの願望です)

 

あともう一つ言えば、今回のニューロクラインの提携は諸費用について先方で負担してくれます(売上として)。

確実なことは言えないですが、2,3年の開発に十分な資金(ツイート参照)という事ですので、年間10億円とか支払ってくれるのであれば最高です。

 

ポイント

(4)東証プライム昇格

これは順調に進んだ場合、来年の終わりに出てくる可能性があります。マザーズから東証一部に昇格するように、グロース市場からプライム市場に昇格するという話です。

条件的にはすでに満たしているのですが、あとは東証の判断次第という事で、田村CEOも話をされていました。

東証プライムに上がると、マザーズだからという理由で買いを控えていた機関投資家が買うようになります。マザーズ指数の上位にいるため、指数売りのために売られるということもありません。

この銘柄は、個人が多く集まっているせいか、空売りを仕掛けて流動性を取ろうとする空売り機関は確実にいるでしょう。ストップ高だった24日に空売り残高を増やした輩だっているほどです。(何を考えているのかわからない)

現状そーせいグループはこういった輩に絡まれているからこそ、ストップ高1回で終わったのかもしれません。そうしますと、そーせいで短期売買を仕掛けることはほぼ負けを意味しています。資金量が全く違うからです。

相手は、個人投資家が投げるまでどこまでも売ります。長期投資家になるしか勝つ道はありません。

こういった材料が、今後のそーせいグループには用意されているのが現状です。それ以外にも書けるほどの自信がないものもありますが、正直楽しみな内容になっています。

 

まとめ

以上のような形で、そーせいグループの大型提携の話、業績の話、今後の材料の話をさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?

現在の株価は何を織り込んでいるのかは、各自で考える必要がありますが。正直将来の話に関しては何も織り込んで無いのかもしれません。(でないとPERが異常に割安な数字になるため)

株式転換型社債の転換価額が2,235円だから、転換して売っているのでは?」という意見もありそうですが、去年転換価額1,834円を上回ってる時でも転換はしていないので、おそらくその可能性は低いです。

 

そうなると利益10億円程度であえいでいた企業が、一つ段階を乗り越え、利益50億円/年の企業に生まれ変わろうとしており、重要な転換期を迎えつつあります。

もしそーせいグループに興味を持った方がいらっしゃれば、直近第2四半期の説明資料や、最新のIR情報のリンクを乗せておきますので、ぜひ見てください。

2021.08.12 お知らせ
2021年12月期 第2四半期(1-6月)決算説明資料

そーせいグループ 最新IR情報

ついでに手前味噌ですが、ニューロクライン社との提携説明会のQ&Aもtwitter上でまとめましたので、最前線はこちらから確認可能です。

 

最後に、

筆者は数年、もしくは10年以上の時間軸でそーせいグループを超長期保有する覚悟でいます。

そんな人間が、なぜここまでするかと言えば「そーせいグループの長期投資家が増えてほしい」「空売り機関のおもちゃにされるのはもう御免」という思いがあるからであり、短期ではなく長く保有する方が増えることを切に願っています。(買った後、寝てしまうのがベスト)

 

この記事を書いたのち、そーせいグループの株価がどうなっていくか、読んでいただいた方々に読んでおいてよかった、と言って頂けることはなるのかどうか。そーせいの今後を信じて、待ち続けたいと思います。

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

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