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そーせいグループ 研究

そーせいの研究業績:2021年

そーせいグループ株式会社の研究発表についてまとめるページです。
そーせいの研究業績:2020年
そーせいの研究業績:2022年

見出し

1-3月

μオピオイド受容体拮抗薬 強迫性障害でのfMRIの教訓 ('21/6/27追加)

2021.01.04 非IR 論文 #fMRI
Lessons learned from using fMRI in the early clinical development of a mu-opioid receptor antagonist for disorders of compulsive consumption
邦題: 強迫性障害に対するミューオピオイド受容体拮抗薬の初期の臨床開発におけるfMRIの使用から学んだ教訓
1st: Pradeep J Nathan (SoseiHeptares)
Last: Geor Bakker (Soseiheptares)
[学会誌]Psychopharmacology
Heptares: 

fMRI(機能的磁気共鳴イメージング)に関するレビュー論文
・題材として強迫性障害用のμオピオイド受容体拮抗薬GSK1521498でのデータをまとめる
・バイオマーカーとしての価値はあるものの、データの関連付けが難しくgo/no goの判断にはまだ課題がある

中枢神経系疾患での薬の効き目を見るために、MRIを使う取り組みの中で第1相や前臨床ではN数が少なく、なかなか課題が多いぞ(これからも取り組む)というお話。

 

KLIFS(キナーゼを標的とした構造データベース)の5年間の振り返り ('21/6/12追加)

2021.01.08 非IR 論文 #キナーゼ
KLIFS: an overhaul after the first 5 years of supporting kinase research
邦題: KLIFS:キナーゼ研究をサポートしてから最初の5年間の振り返り
1st:  Georgi K Kanev (Amsterdam Institute for Molecules)
2nd: Chris de Graaf (Soseiheptares)

Last: Albert J Kooistra (University of Copenhagen)
[学会誌]Nucleic Acids Research
Heptares: 

キナーゼ(Kinases:リン酸基を基質あるいはターゲット分子に転移する(リン酸化する)酵素の総称)の構造データベースのレビュー論文
・KLIFSは、構造情報を体系的に収集することで、キナーゼ研究を支援することを目的とする
・ウェブサイトを開設から5年が経過。これまでの利用のされ方とリニューアルされたKLIFSの機能を紹介

 

産業ベースでの膜タンパク質の生成

2021.01.14 非IR 論文 #fMRI
Production of membrane proteins in industry: The example of GPCRs
邦題: 産業ベースでの膜タンパク質の生成:GPCRの例
1st: James C.Errey (Evotec)※元Heptares
Last: CédricFiez-Vandal (Soseiheptares)
[学会誌]Protein Expression and Purification
Heptares: 

・準備中

 

mGlu5NAM HTL0014242 前臨床・第1相試験での比較結果

2021.02.06 非IR 論文 #mGlu5
Understanding exposure-receptor occupancy relationships for metabotropic glutamate receptor 5 (mGlu5) negative allosteric modulators across a range of pre-clinical and clinical studies
邦題: mGlu5ネガティブアロステリックモジュレーターの曝露-受容体占有関係における前臨床試験および臨床試験の範囲での理解
1st: Kirstie A Bennett (SoseiHeptares)
2nd: Eugenia Sergeev (Soseiheptares)
Last: Anne E Cooper (Soseiheptares)
[学会誌]Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics
Heptares: Cliona P MacSweeney, Geor Bakker

・前臨床、臨床ベースでmGlu5NAMのHTL0014242と他のmGlu5NAMを比較
・受容体の占有率(RO)と暴露の関係を調査

ターゲット受容体占有率(Target Receptor Occupancy: RO)という非常に大事な指標がある。これはどれだけ薬がターゲットと結合しているかという意味のもので、有効性・安全性を図るうえでとても重要。Heptaresではその測定のために、「放射性標識リガンド」「ポジトロン放射断層イメージング」の二つの技術で成功させている。

・研究の目的:げっ歯類とカニクイザルのROを測定し、血漿への暴露とROの関係性を調べる
・比較対象:HTL001424, Dipraglurant, Mavoglurant, Basimglurantの4つのmGlu5 NAM

【結果】
・特定のROでの血漿暴露で、100倍を超える差がある明確な反応関係がみられた
(訳:同じ条件下で、4つのmGlu5NAMを比較すると100倍の違いが出るほど、明確な投与と反応の関係が出た。)
・100倍の差の中でも、単純なEmaxモデルの傾斜と一致するような関係性を持っていた。
・mGlu5の長い歴史の中でも、こういった暴露と受容体の正式な比較は初めてのこと。暴露とmGlu5受容体との間に一貫して統一された関係性を始めて観察することができた。

引用元:21世紀の臨床開発を支える新しい技術(2)

 

※暴露(exposure)という言葉が難しいです。これは一般的には、「ヒトが薬にさらされる」という意味で暴露と考えてください。

なので、
・4つのmGlu5 NAMでも効果に100倍違いが出る
・ただ、薬の投与量・受容体占有率・薬の効果には共通してEmaxモデルに近い明確な相関関係がある

というように個人的には理解しています。100倍効果があるのがHTL0014242のはずと思いますが、Abstにはあまり明示されていませんでした。
mGlu5を正確に狙える薬なら、副作用の出ない投与量を狙えたり、これ以上投与しても効果に限界あるラインを判断できたりするので結構便利なはずです。受容体占有率が見えるということはそれくらい役立つことなんだと思います。

 

白質消失病に関する遺伝子変異と重症度の関係 ('21/5/29追加)

2021.02.26 非IR 論文 #白質消失病
Vanishing white matter: Eukaryotic initiation factor 2B model and the impact of missense mutations
邦題: 白質消失病: 真核生物由来の開始因子2Bモデルとミスセンス変異の影響
1st: Inna Slynko (Amsterdam Institute for Molecules)
2nd: Stephanie Nguyen (The University of Adelaide)
Last: Marjo S. van der Knaap (Amsterdam University Medical Centers)
[学会誌]Molecular Genetics & Genomic Medicine
Heptares: Chris de Graaf

白質消失病に関する基礎研究
・重症度には大きなばらつきがあり、遺伝子型と表現型に強い相関関係
・ミスセンス変異と重症度とのつながりを評価し、関連性があることを確認した

白質消失病に関する詳細な説明はLINKより

 

接着GPCR:Adgrg6(GPR126) ゼブラフィッシュでのシグナル伝達と疾患 ('21/6/2追加)

2021.03.18 非IR 論文 #Adgrg6 #GPR126
The adhesion GPCR Adgrg6 (Gpr126): Insights from the zebrafish modelCrystal Structur
邦題: 接着GPCR Adgrg6(Gpr126):ゼブラフィッシュモデルからの洞察
1st: Sarah Baxendale (University of Sheffield)
2nd: Anzar Asad (University of Sheffield)
Last: Tanya T. Whitfield (University of Sheffield)
[学会誌]Genesis
Heptares: Giselle R. Wiggin

・接着性GPCR、Adgrg6(GPR126)のシグナル伝達と疾患に関する基礎研究
・ヒトAdgrg6遺伝子の変異は、末梢の髄鞘形成に重篤な障害をもたらすため、ゼブラフィッシュをもとに可能性をレビュー
・近年構造解析が進み、シグナルに影響を与える候補分子が同定されるなど、今後の開発が期待される

レビュー論文のため、各研究者の論文をまとめた内容

 

アミン作動性GPCRとバイトピック・リガンドによる選択性の制御 ('21/5/29追加)

2021.03.19 非IR 論文 #BitopicLigands
Controlling the selectivity of aminergic GPCR ligands from the extracellular vestibule
邦題: アミン作動性GPCRリガンドの選択性の細胞外前庭からの制御
1st: Attila Egyed (Research Center for Natural Sciences Magyar tudósok krt)
2nd: Ádám A.Kelemen (Research Center for Natural Sciences Magyar tudósok krt)
Last: György M.Keserűa (Research Center for Natural Sciences Magyar tudósok krt)
[学会誌]Bioorganic Chemistry
Heptares: Chris de Graaf

・アミン作動性GPCRとバイトピック・リガンドを使った選択性改善の基礎研究
・フラグメントドッキングに基づくスクリーニングから、ドーパミンD2からD3、5-HT1Bから5-HT2Bに選択制を持つ化合物を生成
・最後にヒスタミンH1の効力を維持しながらムスカリンM1の副作用を排除した化合物の生成に成功

Bitopical Ligands(バイトピック・​リガンド)について、二価リガンド(bivalent ligands)という言葉があり、その内容をwikiから抜粋
二価リガンド(bivalent ligands)は、不活性リンカーで連結された2つの薬物様分子(ファーマコフォアまたはリガンド)で構成されている。 二価リガンドには様々な種類があり、ファーマコフォアが何を標的とするかによって分類されることが多い。 ホモ二価リガンド(homobivalent ligands)は、同じ受容体の2つのタイプを標的としている。 ヘテロ二価リガンド(heterobivalent ligands)は、異なる2種類の受容体を標的としている[11]。 バイトピック・リガンド(bitopic ligands)は、同じ受容体上のオルトステリック結合部位とアロステリック結合部位を標的としている[12]。

 

アデノシンA2A受容体 結合の違いによる結晶構造の違い ('21/5/30追加)

2021.03.25 非IR 論文 #A2A
Crystal Structure and Subsequent Ligand Design of a Nonriboside Partial Agonist Bound to the Adenosine A2A Receptor
邦題: アデノシンA2A受容体に結合したノンリボシド部分アゴニストの結晶構造とその後のリガンドデザイン
1st: Tasia Amelia (Leiden University)
2nd: Jacobus P. D. van Veldhoven (Leiden University)
Last: Adriaan P. IJzerman (Leiden University)
[学会誌]Journal of Medicinal Chemistry
Heptares: Elena Segala, Grégory Verdon, Robert K. Y. Cheng, Robert M. Cooke

アデノシンA2A受容体(A2AR)の結晶構造に関する研究
・小規模な誘導体ライブラリーを開発し、放射性リガンド結合試験での親和性などを評価
一部の部分アゴニストは、インバースアゴニストに役割が変化。結合に関するさらなる知見を与えた。

要約すると、”ほんの少しの分子の違いで、一部の部分アゴニストはインバースアゴニストに役割が逆転する"らしい。

その理由として、結合部位の近くに3つの水分子があり、この存在による微妙な変化が活性化プロファイルを劇的に変化させていることを示唆。今回新たな構造が解明されたことで、A2A受容体の構造のレパートリーが大幅に拡大し、ほかのGPCRよりもリガンド結合ポケットの詳細な解析が可能になった。

 

4-6月

M1候補薬HTL0018318 単剤投与試験で記憶・学習に有意な効果

2021.04.21 非IR 論文 #M1
Safety, pharmacokinetics and exploratory pro-cognitive effects of HTL0018318, a selective M 1 receptor agonist, in healthy younger adult and elderly subjects: a multiple ascending dose study
邦題: 健康な若年成人および高齢者における選択的M1受容体アゴニストであるHTL0018318の安全性、薬物動態および探索的認知促進効果:複数回の漸増用量試験
1st: Charlotte Bakker (Centre for Human Drug Research)
2nd: Tim Tasker (Soseiheptares)
Last: Pradeep J. Nathan (Soseiheptares)
[学会誌]Alzheimer's Research & Therapy
Heptares: Jan Liptrot, Alastair Brown, Miles Congreve, Malcom Weir, Fiona H. Marshall(※元CSO)

健康な若年成人、高齢者に対してのM1単剤投与試験('20年12月の論文の続き?)
・10日間の治療により、短期記憶と学習に関して、中程度から大きなサイズで有意な効果をもたらす。
ADおよびDLBの認知機能障害に対して、開発をサポートする有望なデータを提供。

2020年12月の論文からの違いの比較

項目 2020年12月論文 今回の論文
被験者 健康な若年成人(40人)、健康な高齢者(57人) 健康な若年成人(36人、3コホート(群))、健康な高齢者(50人、4コホート)
投与量 1~35mg/日 15-35mg/日
その他 14人について、食物の影響をクロスオーバーデザインで評価

非常に重要な違いは、短期記憶と学習に関する試験結果が得られたこと。M1に関する軽度または中等度のコリン作動性有害事象は見られたが、忍容性は高く、HTL0018318の半減期は若年成人で16.1時間、高齢者で14.3h。

M1に作用しながら、短期記憶、学習に良い影響をもたらしているというのは、予想外にポジティブな結果な気がする。(認知症にならない限り、効かないと個人的には思っていた)

 

M1候補薬HTL00936 健康な高齢者を対象とした薬物動態試験

2021.04.23 非IR 論文 #M1
Safety, pharmacokinetics and pharmacodynamics of HTL0009936, a selective muscarinic M1‐acetylcholine receptor agonist: a randomized cross‐over trial
邦題: 選択的ムスカリン性M1-アセチルコリン受容体アゴニストであるHTL0009936の安全性、薬物動態および薬力学:無作為化クロスオーバー試験
1st: Charlotte Bakker (Centre for Human Drug Research)
2nd: Samantha Prins (Centre for Human Drug Research)
Last: Geert Jan Groeneveld (Centre for Human Drug Research)
[学会誌]British Journal of Clinical Pharmacology
Heptares: Jan Liptrot, Giles A. Brown, Alastair Brown, Miles Congreve, Malcolm Weir, Fiona H. Marshall, Tim Tasker, Pradeep J. Nathan

旧M1候補薬HTL0009936での静脈投与試験
・健康な高齢者においてPartA 4試験、PartB 5試験による安全性、薬物動態等の調査
十分な忍容性をもち半減期は2.4時間。薬物動態は十分有意な結果を示した

まさかの旧M1候補薬HTL0009936の論文。半減期がHTL0018318の14.3hに比べるととても短い。他剤の影響で治験デザインが変わり、薬力学の結論は出せなかったという記述あり。

 

接着性GPCR ADGRL4/ELTD1の血管新生促進効果 ('21/5/29追加)

2021.04.23 非IR 論文 #ADGRL4/ELTD1
Elevated expression of the adhesion GPCR ADGRL4/ELTD1 promotes endothelial sprouting angiogenesis without activating canonical GPCR signalling
邦題: 接着性GPCR ADGRL4/ELTD1の発現上昇は、カノニカルGPCRシグナルを活性化することなく、内皮の芽生えによる血管新生を促進
1st: David M. Favara (Cambridge University)
2nd: Ines Liebscher (University of Leipzig)
Last: Adrian L. Harris (University of Oxford)
[学会誌]Nature Research
Heptares: Ali Jazayeri, Madhulika Nambiar

・オーファン接着性GPCR ADTRL4/ELTD1に関する基礎研究
・腫瘍の血管新生を制御しており、in vitro(試験管内)ベースで安定的に過剰発現させると、増殖を抑制できる
・ADGRL4/ELTD1はまだ定義されていないシグナル伝達で、発現を制御している

パイプラインに存在しない、オーファン接着性GPCR ADTRL4/ELTD1に関する研究。

 

GPCRのための構造生物学(SBDD) ('22/3/27追加)

2021.04.28 非IR 論文 #GPR133
Structure-Based Drug Design for G Protein-Coupled Receptors
邦題: Gタンパク質共役型受容体の構造に基づく薬物設計
1st: Miles Congreve (Soseiheptares)
2nd: John A. Christopher (Soseiheptares)
Last: Chris de Graaf (Soseiheptares)
[学会誌]Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery
Heptares: 

・Heptaresの面々による構造生物学(SBDD: Structure Based Drug Design)のレビュー論文
・過去10年で大きな変革が起こり、現在もその勢いは続いている
・X線やクライオ電顕によって多くの魅力的な結合部位が詳細になり、本稿ではそのデータが与える影響、計算化学やアプリケーションについて解説

SBDD(構造生物学)についての内容をレビュー論文としてまとめた内容。Abstractのみ

 

パーキンソン病患者のM1/M4脳内パターンの違いに関する研究 ('21/11/8追加)

2021.05.11 非IR 論文 #M1 #M4
Spatial Covariance of Cholinergic Muscarinic M1/M4 Receptors in Parkinson's Disease
邦題: パーキンソン病におけるコリン作動性ムスカリンM1/M4受容体の空間的共分散
1st: Sean J. Colloby (Newcastle University)
2nd: Pradeep J. Nathan (University of Cambridge)
Last: John-Paul Taylor (Newcastle University)
[学会誌]Movement Disorders
Heptares: Geor Bakker

パーキンソン病(PD)患者における脳内でのM1/M4受容体の発現度合いに関する研究
・PD患者の間では、M1/M4パターンにおいて健康な人と完全に識別できるほどの違いが存在し、認知機能、運動機能の重症度と相関していた。
・またM1/M4パターンは、ネットワークの結合が相対的に減少することで、全体的な認知機能の低下を予測することができた

 

SBDD(構造ベース創薬)のためのスコアリング関数開発とLBDDとの比較 ('21/10/23追加)

2021.05.13 非IR 論文 #AI #計算機科学
Comparison of structure- and ligand-based scoring functions for deep generative models: a GPCR case study
邦題: 深層生成モデルにおける構造とリガンドに基づくスコアリング関数の比較:GPCRのケーススタディ
1st: Morgan Thomas (University of Cambridge)
2nd: Robert T. Smith (Soseiheptares)
Last: Andreas Bender (University of Cambridge)
[学会誌]Journal of Cheminformatics
Heptares: Noel M. O’Boyle, Chris de Graaf

AI創薬のためにスコアリング(採点)用の関数を開発
・SBDD(構造ベース創薬)のための本関数と、LBDD(リガンドベース創薬)のスコアリング関数を使って能力を比較
・DRD2(ドーパミン受容体D2)の場合、親和性の予測値を向上させることが判明初期ヒット化合物の創出に応用ができる

超訳: SBDD(構造ベース創薬)でのAI活用に向けていい感じの評価方法が見つかった。
Abstractのみで書いているものの、↑の内容は本当に表面上のものをさらっただけのため、詳細を下記する。

【Abstract内での背景】
現在のAIモデルの多くは、リガンド(鍵)をベースにした予測手法をもってターゲットを目指して最適化を試みている。するとデータの多いターゲットにしか適用ができず、データの少ないターゲットは無視されることになる。さらに言えばリガンドベースの場合、既成の化学空間に偏る(その結合場所でしか最適化できない)ことが多く、本当の意味での同定には限界がある。

【やったこと】
・使用したAI:深層生成モデル"REINVENT"
・使用したソフトウェア:"Glide"(分子ドッキングの能力評価, SBDD用)
・新規開発したもの:"Glide"で出た結果を、"REINVENT"に織り込むための採点用の関数
・さらに何をしたか:↑とLBDD(リガンドベース創薬)に使われる採点用の関数の能力と比較した

【結果、わかったこと】
・DRD2(ドーパミン受容体D2)で親和性の予測値を向上させた。
・さらに言えば、その結果は新しい化学空間(知らなかった結合場所)を指し示していた
・また、SBDDでは残基の相互作用の学習もできるので、LBDDより親和性・新規性・相互作用をより正確に予測できることが実証された。

【何ができるのか】
・特定のターゲットで、ライブラリーを充実させるためのヒット化合物を作り出せる。(自分で学習して自分で生成するの意)
リガンドの知識が全くない新規のターゲットでいきなり化合物を作りだしたり、結合場所を見つけたりすることができる。

らしい。(Abst完)
連想するのは、AlphaGo(囲碁のAI)が自分同士で対戦してパワーアップしていくという話。分子の自己学習と自己生成をしそうな話にきこえるものの、大げさに言うこともあるので額面通りにまず受け取らないがほうが望ましい。今後そういうものを目指していくのではないかと感じた。

 

GPR133(ADGRD1)の開裂に関する基礎研究 ('22/3/27追加)

2021.05.20 非IR 論文 #GPR133
Functional impact of intramolecular cleavage and dissociation of adhesion G protein-coupled receptor GPR133 (ADGRD1) on canonical signaling
邦題: 接着性Gタンパク質共役型受容体GPR133(ADGRD1)の分子内開裂および解離がカノニカルシグナルに与える機能的影響
1st: Joshua D Frenster (NYU Grossman School of Medicine)
2nd: Gabriele Stephan (NYU Grossman School of Medicine)
Last: Dimitris G Placantonakis (NYU Grossman School of Medicine)
[学会誌]Journal of Biological Chemistry
Heptares: Giselle R Wiggin

・接着性GPCR、GPR133(ADGRD1)に関する基礎研究
・GPR133は脳の悪性腫瘍であるグリオブラストーマ(GBM)の増殖に必要
・N末端とC末端の乖離が、GPR133のシグナルの活性化に影響を与え、治療標的化に重要な示唆を与える

NewYorkのGrossman ShcoolとのOrbit案件による研究にWiggin氏が参加。そーせいの掲載論文にも登場する形となった。

グリオブラストーマ(GBM: 膠芽腫(こうがしゅ))の増殖を抑えるために何ができるかという基礎研究。

 

GPR52インバースアゴニズムの調査報告 ('21/6/11追加)

2021.06.03 非IR 論文 #GPR52
Characterisation of inverse agonism of the orphan-G protein-coupled receptor GPR52 by cannabinoid ligands Cannabidiol and O-1918
邦題: カンナビノイドリガンド、CannabidiolとO-1918によるオーファンGPCR GPR52のインバースアゴニズムの特徴
1st: Lisa A. Stott (Soseiheptares)
2nd: Cheryl A. Brighton (Soseiheptares)
Last: Steve P. Watson (Soseiheptares)
[学会誌]Heliyon
Heptares: Jason Brown, Kirstie A. Bennett, Heather Currinn, Flavia Autore, Alicia P. Higueruelo, , Cliona MacSweeney, Michael A. O’Brien

・オーファンGPCRであるGPR52のメカニズムに関する論文
・カンナビノイド受容体のリガンド:CannabidiolとO-1918をGPR52のインバースアゴニスト(逆作動薬)として同定
・GPR52の薬理作用と相互作用についての記載。カンナビジオールの中枢神経系における新規作用に注目

GPR52はそーせいの自社開発品の前臨床品としてリストアップされている。ただそれは、アゴニスト(作動薬)の話であり、今回のインバースアゴニストとは微妙に異なってくる。

本文の最終には、”創薬プログラムを開始する可能性のある適切な分子を特定するためのスタートポイントとなるでしょう。”という記載もあるので、ひょっとすると逆作動薬も新規候補として登場してくるのかもしれない。

 

M1候補薬HTL0018318 健康な高齢者に対する単独あるいはドネペジル併用第1相試験 ('21/6/30追加)

2021.06.23 非IR 論文 #M1
Safety and Pharmacokinetics of HTL0018318, a Novel M1 Receptor Agonist, Given in Combination with Donepezil at Steady State: A Randomized Trial in Healthy Elderly Subjects
邦題: 新規M1受容体アゴニストHTL0018318のドネペジルとの併用による安全性と薬物動態の検討 健康な高齢者を対象とした無作為化臨床試験
1st: Charlotte Bakker (Soseiheptares)
2nd: Jasper van der Aart (Centre for Human Drug Research (CDHR))
Last: Geert Jan Groeneveld (Centre for Human Drug Research (CDHR))
[学会誌]Drugs in R&D
Heptares: Jan Liptrot, Steve Dickinson, Tim Tasker

M1部分作動薬HTL0018218の第1相試験。健康な高齢者を対象に安全性と薬物動態を検証
・HLT0018318の単独投与はドネペジル単独より有害事象の割合が低かった。また、併用はドネペジル単独に比べ有害事象の割合は増加しなかった。
・HTL0018318は単独・併用において良好な忍容性を示した。薬力学・薬物動態的にも問題はなく、AD患者への有効な併用療法となりうる

超訳: 薬の成分は届いていて、ドネペジルよりも悪い作用は少ない。併用でも問題なしでアルツハイマー治療に有望

HTL0018318の併用試験は過去、アラガンとの提携中に実施されていた記憶が存在する。ただ、その時の試験はメマンチンも併用しているので、正確にリンクしているのかどうかわからない。

実施時期は2017年頃なため、試験完了からそのまま論文化という流れは考えづらく、ひょっとしたらアッヴィ(アラガンの買収先)との契約が解除になることで論文化に流れたのではないかと、なんとなく予想。

表4を抜粋、コリン作動性の有害事象の発生割合。プラセボ群、HTL0018318 15mg群、HTL0018318 25mm群と分け、左からドネペジル単独20日間→ドネペジル&HTL0018318併用5日間→(20日空白期間)→HTL0018318単独5日間という試験。15mg群は顕著に減っていることがわかる。

 

GLP-1 計算機科学によるPAM/NAMの探索('21/7/4追加)

2021.06.23 非IR 論文 #GLP-1
Discovery of Novel Allosteric Modulators Targeting an Extra-Helical Binding Site of GLP-1R Using Structure- and Ligand-Based Virtual Screening
邦題: 構造およびリガンドベースのバーチャルスクリーニングを用いた、GLP-1Rのらせん外結合部位を標的とする新規アロステリックモジュレーターの発見
1st: Qingtong Zhou (Fudan University)
2nd: Wanjing Guo (Shanghai Institute of Materia Medica)
Last: Ming-Wei Wang (Fudan University)
[学会誌]biomolecules
Heptares: Chris de Graaf

グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を標的とした、アロステリックモジュレーターの探索
・構造ベースのバーチャルスクリーニングと、リガンドベースのバーチャルスクリーニングの二つを実施
2種のネガティブアロステリックモジュレーターと、7種のポジティブアロステリックモジュレーターを発見

超訳: 計算によってGLP-1Rに合う、PAMとNAMを見つけた

中国復旦大学(ふくたんだいがく)の研究であり、そこにGraaf氏が載る形なので直接的にHeptaresのものとは言いづらい。計算機科学によって、アゴニストやアンタゴニストでなく、調整のききやすい正負のアロステリックモジュレーターを複数見つけたという内容。リード化合物に相当するかは不明。

 

多剤トランスポーターAcrBの輸送メカニズム('21/7/4追加)

2021.06.29 非IR 論文 #GLP-1
Allosteric drug transport mechanism of multidrug transporter AcrB
邦題:多剤トランスポーターAcrBのアロステリック薬物輸送メカニズム
1st:  Heng-Keat Tam (University of South China)
2nd:  Wuen Ee Foong (Goethe-University Frankfurt)
Last: Klaas M. Pos (Goethe-University Frankfurt)
[学会誌]nature communications
Heptares: Christine Oswald

・薬剤を輸送するトランスポーターAcrBの輸送メカニズムに関する研究
・X線構造の解析から、複数の薬物が存在するなかでもアロステリックに調整されていることを示唆

基本スルーでよし。現在HeptaresにいるChristine Oswald氏が、ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学にいたときの成果?一応ピックアップしたが、どこまで関連しているかわからない。

 

7-9月

ELA-32ペプチドに関するケンブリッジ大の研究 ('21/11/7追加)

2021.08.26 非IR 論文 #ELA-32
In vitro metabolism of synthetic Elabela/Toddler (ELA-32) peptide in human plasma and kidney homogenates analyzed with mass spectrometry and validation of endogenous peptide quantification in tissues by ELISA
邦題: ヒト血漿および腎臓ホモジネート中の合成Elabela/Toddler (ELA-32)ペプチドのin vitro代謝の質量分析による解析とELISAによる組織中の内因性ペプチド定量の検証
1st: Duuamene Nyimanu (University of Cambridge)
2nd: Richard G Kay (University of Cambridge)
Last: Anthony P Davenport (University of Cambridge)
[学会誌]Peptides
Heptares: Alastair J H Brown

・ケンブリッジ大のDavenport研によるアペリン受容体に関する基礎研究
・ELAはアペリン受容体のリガンドであり、ELA-32は心血管疾患やがんの治療標的として浮上
・代謝や安定性についてよくわかっていないため、アッセイを組んで観察を行った。

ORBITプログラムでアペリン関係でHeptaresはダベンポート研と関係性がある。そのためHeptares側はAlastair氏が共同研究者として出ているのかもしれない。内容としては基礎研究なので、直接的に影響してくる可能性は低い。

 

炎症性オーファンGPR84 グラスゴー大による新規アンタゴニストの発見 ('21/9/11追加)

2021.09.07 非IR 論文 #GPR84
Discovery and Characterization of Novel Antagonists of the Proinflammatory Orphan Receptor GPR84
邦題: 炎症性オーファン受容体GPR84の新規アンタゴニストの発見と特性評価
1st: Laura Jenkins (University of Glasgow)
2nd: Sara Marsango (University of Glasgow)
Last: Graeme Milligan (University of Glasgow)
[学会誌]ACS Pharmacology & Translational Science
Heptares: Kirstie A. Bennett, Matt Barnes

オーファン受容体GPR84は、炎症性腸疾患(IBD)や特発性肺線維症(IPF)に有望なターゲット
・ライブラリーからのスクリーニングに成功して、有望なGPR84アンタゴニストを発見
・マウスGPR84では親和性を示さなかったが、ヒトGPR84や他種には親和性を示し、マウスの残基をヒトに置き換えたとき親和性を示すことを突き止め、選択性を発見することができた

この研究は、ORBITプログラムによるグラスゴー大学との共同研究が進展しているものと思われる。過去研究は↓の通り。このころは作用を調べるしかできていなかった。

 

精神疾患オーファンGPR52 HTL0041178の特定とその最適化戦略 ('21/9/26追加)

2021.09.22 非IR 知識 学会 #GPR52
The Identification of GPR52 Agonist HTL0041178: A potential therapy for schizoaffective & related disorders
邦題: 統合失調性感情障害および関連する精神疾患の治療薬候補になり得るGPR52作動薬HTL0041178を同定
1st: Steve Watson (SoseiHeptares)
[学会]21st SCI-RSC medicinal chemistry symposium
Heptares: 

オーファン受容体GPR52はオーファンGPCRの一つ
統合失調症をはじめとする精神疾患への治療加入が可能という根拠が生まれている
GPR52作動薬としてHTL0041178を特定。最適化戦略やヒトPK/PD予測について説明

プレゼンテーション資料

導入は比較的M4と同じ流れ。ドーパミンD2受容体拮抗薬の代わりとなる新薬のニーズが高まっている。ここでは動物実験ベースでPK/PDを調べて薬の有効時間、ヒトにおいて予測される必要投与量などが記載されている。
資料中には、「精神刺激薬による過剰運動性反応を抑える」、「PCP(麻酔)過剰投与ラットにおいて認知的柔軟性が向上」とある。まだヒトに対してどうなるかわからないが効能として多少期待ができそう。

 

10-12月

Orexia社、ソフトウェアプラットフォーム企業のSchrödinger社とコラボ('21/10/23追加)

2021.10.18 非IR #OX1 #OX2
Centessa Pharmaceuticals Subsidiary, Orexia Therapeutics, and Schrödinger Announce Collaboration to Discover Novel Orexin Receptor Agonists
邦題: センテッサ社の子会社であるオレキシア・セラピューティクス社とシュレーディンガー社がオレキシン受容体作動薬の発見を目的とした共同研究を発表
企業提携の話のため、Authorなし

・オレキシン2受容体(OX2R)を標的に新規治療法発見に焦点
・OrexiaはSchrödingerの計算機科学プラットフォームにアクセス
・Schrödingerは使用料とマイル、1桁台のロイヤリティを得る

オレキシンの従来の狙いはナルコレプシー1型だが、ここではそれを超えたナルコレプシー2型や特発性過眠症、日中の過度の眠気など、オレキシンアゴニズムの可能性を最大限引き出して、幅広い追加の適応症を狙う。武田が失敗したTAK-994はナルコ1型。

 

Cambridge大とのAI共同研究の成果発表('21/10/23追加)

2021.10.20 知識 #AI #計算機科学
Sosei Heptares boosts Artificial Intelligence and Computer-Aided Drug Design capabilities focused on GPCR-targeted drug discovery with new partnered initiatives
邦題: AIおよびコンピュータ支援ドラッグデザイン能力強化に向け新たなパートナーとの取り組みを開始
1st: Morgan Thomas (University of Cambridge)

HeptaresとCambridge大の共同研究成果として、AI in ChemistryとERNESTの2学会で研究発表
・1st AuthorのMorgan Thomas氏の研究によりAIや強化学習に重要なスコアリング手法を生み出した
・博士課程の学生育成へ、大学や企業との共同研究プログラム"ALLODD"、"BBSRC CTP"に参加する

キーマンはCambridge大の博士課程中の学生Morgan Thomas氏とHeptaresのChris De Graaf氏。論文については2021年5月分を参照
"ALLODD"
14名の学生と13の学術/産業組織間のコラボレーションの元、結合モデル関する研究テーマが与えられ、ホスト組織に滞在してトレーニングも行う。
Heptaresのテーマは"GPCRアロステリックモジュレーターのコンピューター支援創薬"(指導員Graaf氏、2022年秋から)
"BBSRC CTP"
こちらは学生225人に29の企業と12の学術機関という事でもっと大規模なもの。詳細はなかったので省略。

 

Cambridge大とのAI共同研究論文 ('21/11/7追加)

2021.11.04 非IR 論文 #AI #計算機科学
Applications of Artificial Intelligence in Drug Design: Opportunities and Challenges
邦題: ドラッグデザインにおける人工知能の応用。機会と課題
1st: Morgan Thomas (University of Cambridge)
2nd: Andrew Boardman (University of Cambridge)
Last: Andreas Bender (University of Cambridge)
[学会誌]Artificial Intelligence in Drug Design
Heptares: Chris de Graaf

・Cambridge大とHeptaresの共同研究を行っていた人のAIに関する論文
・AIのドラッグデザインへの応用として、仮想スクリーニング、コンピュータ支援合成、de novo上での分子生成を例にしてレビュー
・今後のAIの課題としての予測不確実性の定量化や、モデルの挙動説明についても議論

 

M1候補薬 構造から臨床までの作動薬開発の設計 ('22/3/26追加)

2021.11.4 IR 論文 #M1
From structure to clinic: Design of a muscarinic M1 receptor agonist with potential to treatment of Alzheimer’s disease
邦題: 構造から臨床へ。アルツハイマー病治療薬として期待されるムスカリンM1受容体アゴニストの設計
1st: Alastair J.H. Brown (Sosei Heptares)
2nd: Sophie J. Bradley (Sosei Heptares)
Last: Andrew B. Tobin  (University of Glasgow)
[学会誌]Cell
Heptares: Fiona H. Marshall, Giles A. Brown, Kirstie A. Bennett, Jason Brown, Julie E. Cansfield, David M. Cross, Chris de Graaf, Brian D. Hudson, Edward Hurrell, Jan Liptrot, Giulio Mattedi, Pradeep J. Nathan, Krzysztof Okrasa, Greg Osborne, Jayesh C. Patel, Mark Pickworth, Robert T. Smith, Tim Tasker, Christopher J. Langmead, Robert M. COoke, Prakash Rucktooa, Miles S. COngreve, Malcom Weir

M1作動薬を設計することを目的に探索から臨床への筋道を示した大規模論文。
・M1作動薬が前臨床で認知機能向上、ヒトへの投与で低い副作用を示す
・M1作動薬によって高齢者の学習・記憶中枢を活性化する

手順は、
・M1用化合物のスクリーニング
・M1結晶構造生成(StaR)&解析
・HTL9936生成のドラッグデザイン
・HTL9936複合体の結晶生成&解析
・in vitro(試験管内)でのassay
・前臨床モデルでの評価(犬→霊長類
・健康なヒトでの安全性評価
・健康な高齢者での認知評価
10年近くの研究の成果が記載されている。

 

Biased-M1治療薬による神経保護の可能性 ('22/3/2追加)

2021.12.10 非IR 論文 #M1
Biased M1 muscarinic receptor mutant mice show accelerated progression of prion neurodegenerative disease
邦題: 偏向M1ムスカリン受容体変異マウスによる、プリオン神経変性疾患の進行の加速
1st: Miriam Scarpa (University of Glasgow)
2nd: Colin Molloy (University of Glasgow)
Last: Sophie J. Bradley (University of Glasgow)
[学会誌]PANS
Heptares: Sophie J. Bradley

英グラスゴー大によるM1の基礎研究。Heptaresの関係者も参加
・疾患修飾(原因の元から直す)効果が実証されているが、M1受容体が固有の神経保護活性を発揮することを明らかにした
・リン酸化状態を維持するよう設計された次世代M1受容体リガンドは、神経保護をもたらしつつ低い副作用を示す可能性をもつ

解説
元々M1は症状改善薬(対症療法、病気自体は良くならないもの)の認識だったが、最近、前臨床モデルでは疾患修飾薬(病気そのものを遅らせる薬)として、そーせい含め研究者の注目が集まっていた。 そこでbiased(偏向)M1シグナルしか出ないプリオン病マウスを使い、故意に受容体の"リン酸化”状態を維持することで神経保護を発揮し、プリオン病マウスの寿命が延長することを立証した。

超訳: リン酸化状態を維持できるようなbiased-M1なら、病気の進行を遅らせつつ、低い副作用を示す次世代M1薬になるかもしれない

 

仮想スクリーニングに関する総説論文 ('22/4/5追加)

2021.12.18 非IR 論文 #SBDD
Structure-Based Virtual Screening for Ligands of G Protein–Coupled Receptors: What Can Molecular Docking Do for You?
邦題: Gタンパク質共役型受容体のリガンドの構造に基づく仮想スクリーニング: 分子ドッキングで何ができるか?
1st: Flavio Ballante (Uppsala University)
2nd: Albert J Kooistra (Uppsala University)
Last: Jens Carlsson (Uppsala University)
[学会誌]Pharmacological Reviews
Heptares: Chris de Graaf

・SoseiHeptaresのメンバーを中心とした仮想スクリーニングに関する総説論文
・GPCRにおけるリガンド探索のため、一般的なワークフローなどについての紹介
・今後の応用についての現状を評価

本質的には新たな発見を示すものではなく、わかっていることをまとめたもの(総説論文)になっている。
Conclusion(結論)の部分で述べられているのは、「バーチャルスクリーニングを使用する十分な機会が与えられていること。」「リガンド同定には、スクリーニング手法の他に、結合部位の性質やライブラリの構成も影響されること」「次世代のGPCR医薬品の追求に不可欠であること。」が示されている。

いくつかメモ:
・小分子リガンドは、高い親和性をもつ化合物がライブラリー内に多数含まれているが、ペプチドなどに結合するGPCR(ニューロテンシン、オレキシン、CXCR4)などはあまり公開されていない。浅く、開いた、小分子が収まるよりも大きなポケットを持つ受容体では、リガンド特定をより困難にさせる
・アゴニストが、アンタゴニストのような結合をする内容がスクリーニングから出てきても驚くべきことではない。活性と不活性の相対的な強度の差によって、観察される効果が決まる
・ドッキングスクリーンがサブタイプ選択的リガンドでは、リガンドを特定できなかったことは驚くべきことではない。たとえば、ムスカリン、オレキシン、オピオイド受容体など。ドッキングプログラムが、受容体の高度な柔軟性を考慮しなければならないため。
・GPCRの構造をホモロジーモデリング(ライブラリーから共通で同一なものを引用し、構造を類推する手法)で特定する方法は、正確なモデルが無ければ成功率は下がる。不正確なテンプレートしか使えない場合、4倍以上低いヒット率となる事例も存在する。

 

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